レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ラ・カリファ」(1970)です。
カリファ(ロミー・シュナイダー)の夫が、労働争議時に警官隊の銃撃を受け、血塗れの最後を看取る。涙も枯れるカリファだったが、次第にその会社の所有者である実業家ドベルトと親しくなっていくカリファ。カリファに感化されて労働者よりの動きをすることにより、ドベルトは他の実業家からの敵意を受けることになるのだが、彼はそうとも知らずに…
映画は労働争議物で、私は個人的にマウロ・ボロニーニ監督「わが青春のフローレンス」のような映画を考えていましたが、全く別物でした。作家出身の監督アルベルト・ベヴィラクアの腕前は冴えなくて、全体に今一つと言う感じです。但し、ロミー・シュナイダーは美しく、素晴らしいですが。この手の社会派映画であれば、フランチェスコ・ロージー監督の出番ですがね。同時期の映画としては「太陽は知っている」「追想」の方をお薦めします。
70年頃の労働争議物なので、何となく私は映画を見ながら、あの浦山桐郎監督作品「私が棄てた女」(1969)を思い出しました。重い映画で、主人公が人より良い生活を得る為、人を蹴落としてのうのうと生活する映画でしたが、スクリーンから醸し出される雰囲気が似ているなと。
このモリコーネ作曲の「ラ・カリファ」のテーマはとても有名ですが、映画はずっーと未公開でした。今回、日本で初めて公開されたことに感謝します。が、公開された91分版で話が繋がらない様な所が散見され、もっと長いバージョンがある様に思われます。キネノートで確認すると上映時間112分と有ります。 八点鐘
追記 この作品、評判が良くなかったので鑑賞するのを止めようかと思いました。理由は名古屋地区で公開しないので京都まで見に行く必要があったからで、逡巡しましたがやはり見て正解でした。色々ある映画ですがやはり見て良かったと思います。お金は掛かりましたが。アップリンク京都さん有難う。今後も名古屋スルー作品が有れば、見に行きたいと思います。