レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「第一容疑者 姿なき犯人」テニスン警視を演じるヘレン・ミレンの素晴らしさ…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する作品は「第一容疑者 シリーズ6 姿なき殺人」(2004)です。

                               

ロンドン、高級アパート工事中の地下室で女性の変死体が発見される。それは外国女性で、サディスティックな拷問跡、首を絞められて殺された後運び込まれたようだった。その事件は、若手のやり手警部サイモンが当たるが、テニスン警視(ヘレン・ミレン)が横取りするような形で担当する人になった。死体を丹念に調査することで10年程前のボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争の影を感じ取るテニスン警視だった…

ヘレン・ミレンが素晴らしい、彼女の作品を始めて見たのはリンゼイ・アンダーソン監督「オー!ラッキーマン」だった。特に取り立てて言うほどではなかったが、何か光るものがあったように感じた。その後「カリギュラ」「エクスカリバー」「2010年」等癖のある準主役のような役が多かった彼女が、当てたテニスン警視役は役者冥利に尽きますね。今回も50代なかばで、上司からは有能だが扱いにくいテニスンをとても良く演じています。いや、とても巧みで表情豊かなミレンの顔を眺めているだけでもう満足。

その昔、映画は監督だとずっと信じていましたが、今では監督だけではなく、演技力のある役者、この場合は女優も監督以上に重要だと思うようになりました。そう感じさせてくれたのは彼女だった。

今回も、無残に殺害されたボスニア女性の為に上司の命令に逆らい、容疑者の妻からは罵倒されても、顔色変えずに淡々と捜査を進めるテニスン警視、うーん、美しいです。

監督は、あの話題のミュージカル大作「キャッツ」で大コケしたトム・フーバー、前半少し冗長ですが手堅く纏めています。又、サスペンススリラーでカムバックして下さい。待っています。

 

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