レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は邦画「復讐するは我にあり」(1979)です。

昭和38年(1963)、榎津巌(緒形拳)は専売公社の集金係2名を殺害し浜松へ。そこで大学教授に化けて旅館女将浅野ハルの信頼を得る。そんな中、彼は千葉へ。そこで弁護士を装って保釈金詐欺を行い老弁護士に近づき殺害し、ハルを東京に呼び寄せるのだが…
監督は今村昌平、その昔TVで「豚と軍艦」「神々の深き欲望」をチラリと見たことがありますが、いやこってりとしたスタイルで退散と相成りました。でも、テイラー・ハックフォード監督(ヘレン・ミレンの旦那さん)がこの映画をとても褒めていたので、今回鑑賞することと相成りました。
いや、物凄い映画ですね。クライムサスペンスと言うよりも愛憎劇と言った方が良いかもしれません。驚きました。画面からは、あの"昭和"のキツイ臭いがプンプンと漂い、緒形拳、父親役 三国連太郎、妻役 倍賞美津子のドロドロの愛憎劇が繰り広げられ、悲劇の様とも喜劇の様でもあり、シリアルキラーでもありそうでもなく、味わいは違いますが、あのリチャード・ブルックス監督「冷血」を思い出しました。原作者佐木隆はカポーティ「冷血」を意識して書いたと言っているので成程と思いましたが。
サスペンス映画として榎津が千葉へ出向いて保釈金詐欺、老弁護士殺害再び浜松に舞い戻り、旅館女将ハルとその母に手を掛ける辺りがなかなか見せ場になります。なかなか巧いと思います。
でも、正直この榎津巌の人間性がもう一つピーンとこないのが、例えば、映画を見ただけでは親父への反目のようでもあり、海軍への船供出を巡るトラブルの様でもあり、もう少し判り易いと、もっと良かったと思いますが。
一番凄いのがラストで、こんなシーンは見たことありません。甘い甘い「マディソン郡の橋」と比すると、ホント驚愕の一言。
こういう映画なので全ての人にお薦めは出来ませんが、あの"昭和"の犯罪映画が見たい人、こってりとした愛憎映画が見たい人にはお薦めです。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘




