レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ウィンターズ・ボーン」この映画、ノワールスリラーなんですね…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ウィンターズ・ボーン」(2010)です。

 

 

ミズーリ州南部に住んでいるリー(ジェニファー・ローレンス)は、家を出て行方不明の父の代りに弟、妹の世話、そればかりか何も出来なくなった母の面倒を見ている。そんな中、地元の保安官の訪問を受け裁判に出廷しない父親の行方を尋ねて来る。彼が出廷しないと、住んでいる家を担保に保釈金を支払っているので、自宅が没収されて立ち退ないといけないと説明を受ける。リーは慌てて行方不明の父の消息を訪ねるのだが…

この映画、父娘の愛憎ドラマと考えていたら色々と驚かされました。冒頭20分程は、淡々と最下層の極貧家庭ドラマで、うあ、丁寧な描写でそれは良いんだけれど、画面を凝視するだけで何だかやり切れなくて、商業映画でここ迄やるのかと考えていたら、途中からノワールぽくなって、何とか乗り切ることが出来ました。ホント、助かりました。

例えば、日本映画でもよく極貧を描いた作品があります。黒澤明監督作「どん底」「どですかでん」辺りが代表映画だと思いますが、何かユーモアがあって結構楽しい映画でになっていますが、この映画にはそれがありません。そういう意味では、とてもユニークな映画です。監督は女性でデブラ・グラニク、実直な感じで手堅く巧く纏めています。

特に注目することに、このリーの家庭環境、何と言うか血縁家族が纏まっている感じの集落で、何か異様な雰囲気を醸し出しています。映画を見ながら、ジョン・ブアマン監督「脱出」にもこの手の人々が登場していたことを思い出しました。

この映画は、その特殊な血縁関係の集落の人々を丁寧に表現できるかどうかで作品の評価が決定し、残念ながら日本人の様な門外漢には、評価が出来ないのでは無いかと感じ入る次第。難しいですね。でも、この作品、何かとても捨て難い魅力があり、無視できない映画だということは判ります。

主演のジェニファー・ローレンスは熱演と言っても良いような感じで、真摯に演じています。これには驚きました。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

 

 

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