レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フェラーリ」(2023)です。
1956年フェラーリ社の業績は、98台しか販売できなくて低迷していた。信頼すべき会計士は年間400台を販売できなければ、会社は倒産すると。彼はその為フィアット社又はフォード社との財政面での協力を仰ぐべきだと。が、社長エンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)は、そんなやり方ではなく今年57年のミッレミリアでの優勝を狙い、ライバルのマセラティ社との戦いに終止符を打とうとしていた…
あの「マイアミ・バイス」でケチが付いたマイケル・マン監督の最新作です。マン監督は車好きで、フェラーリがお好きなんですね。この作品は入魂の自動車映画になっています。本当に見ていて楽しかった。
何が良いのかって? まず、冒頭のモデナの教会での説教師いう「説教」が良いね。あなた方金属加工職人云々と始まるんです。うぁ、本当にこんなこと言うのだろうか? でも、イタリア語が解れば聞きたいなと感じ入った次第。亡くなった息子ディーノでの追悼の言葉、エンツォは毎朝やっていたようですね。うーん、美しいです。
勿論、有名な床屋も登場してエンツォが大好きな方はもうこれだけで満足されるでしょう。こんな感じで、映画は淡々と進んで行きミッレ・ミリアになります。このシーンは迫力があってとても良いのですが、少し分かり難いのが難点だと思います。
マン監督、フェラーリが大好きなんでしょうね。レースに登場するフェラーリは殆どがレプリカですが、エンジン音も聞き応えがあり中々見せてくれます。うーん、とても美しいです。
冒頭登場するドライバー、デ・ポルターゴのフィアンセがリンダ・クリスチャンとは知りませんでした。ここで、エンツォが言うセリフが良いですね。「パドックに女性を入れるな」と。
アダム・ドライバーは良くエンツォの雰囲気を出していたと思います。でも、このジャンルに興味がないと面白みは半減でしょう。この映画の弱点はここですね。好きな方は是非劇場で楽しんで下さい。楽しめると思います。 八点鐘
追記 映画の中でエンツォが普段乗る車はプジョー403、うーん、美しいです。
このブログで取り上げたレース映画