レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「キープ<The Keep>」うーん、たまりません、マイケル・マン監督のカルトクラシック映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「キープ<The Keep>」(1983)です。

映画は、1941年10月ルーマニアへヴェルマン大尉率いる部隊は進撃、目的の"城壁<キープ>を占領した。が、それから駐屯部隊の中で城壁に取り付けられていた十字のイコンを剝がそうとした者が2名殺害される事件が起こる。軍はパルチザンによるものと考えてSD特殊作戦部隊を派遣し村人を殺害する。村の司祭は、封じ殺られていた魔王モラサールが復活したという。しかたなく軍はユダヤ人歴史家クザを強制収容所から連れ出して城壁に書かれたグラゴル文字を解読させるのだった。その夜、ギリシャにいたグラーケン・トリスメゲストス(スコット・グレン)は、モラサールの復活を感じ、対決の為に城壁に向かうのだった…

マイケル・マン監督のカルトクラシックです。日本でもスプラッシュ公開に近い扱いでした。

冒頭のルーマニア、雷雨の中カルパチア山脈の山岳路を進軍する独国防軍山岳部隊はシュタイアー1500A、ボルボHBT半軌動車等を駆り出して、加えてフリードキン版「恐怖の報酬」で名を上げたタンジェリン・ドリームの驚ろ驚ろしいスコアが被さり観客を釘付けにすることは間違いありませんが、映画が進むにつれて段々と期待が萎んで行き、特にラストの対決は、盛り上がりに欠けてがっかりと言う作品です。

冒頭のシーン以後の展開がいま一つですが、最近英語版「The Keep」wikiを調べてみたら、オリジナルは210分でそれでは長すぎるということで120分版をスニークプレビューで観客の評価を確認した処良くなかったので、更にカットしたバージョン約95分版が公開されたと言うことです。そういう経緯なので製作時に色々とトラブルが起こった作品だったと思います。

スコット・グレンを始めてするキャスティングもイアン・マッケラン、ガブリエル・バーン、ロバート・プロスキー、ユルゲン・プロホノフ、紅一点アルバータ・ワトソン等なかなか通好みで良いのですが、グレン、マッケランとアルバータ・ワトソン以外はこれと言った見せ場はなく、これも残念です。

ですが、マン監督らしい凝った映像、例えば冒頭のシーン、オートバイに乗って城壁に向かうグラーケンのシーン等もなかなか素晴らしくて、興味のある方はぜひ鑑賞して下さい。又、パラマウントにはオリジナル版が残っているらしく一部のマニアはオリジナルをソフト化しろと署名を募っているとか。勿論、私も見たい…

このブログ作成にDVD版(輸入盤)を鑑賞しています。       八点鐘

 

                                   モラサールのデザインはあのエンキ・ビラル

 

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