レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ヒート」(1995)です。
映画は、LAで現金輸送車がニール(ロバート・デ・ニーロ)率いる武装強盗団に襲われる処から始まる。悪いことに新たに仲間に入れた男が面白半分に警備員を撃ち殺し、ニール達は仕方なく警備員を全員射殺した。ニールは警備員を殺した男ヴァン・サントを殺そうとしたがパトカーが近くを走り殺すことが出来なかった。ヴァン・サントは逃げた。LAPDのハナ警部補(アル・パチーノ)は、この現金輸送車襲撃は武装強盗のプロ、ニール達の仕業と睨んで彼らを追い始めるのだった…
「クラッカー/真夜中のアウトロー」TV「マイアミ・バイス」で名を上げたマイケル・マンのノワールアクション大作です。冒頭の現金輸送車襲撃も凄い迫力ですが、何といっても凄いのは中盤の銀行襲撃で、匿名情報リークの中、盗んだ現金を担いで自動小銃コルトM733を乱射、互いを援護しながら市警の非常線を強行突破しようとするニール達、凄いの一言。迫力たっぷりで、うーん、美しいです。
こんな映画、見たことありません。あのノワールスリラーの名手ジャン=ピエール・メルヴィル先生も顔色なしでしょう。
デ・ニーロ演じるニールが素晴らしい。自分達を罠に嵌めたヴァン・サントを仕留めたり、仕事が終われば海岸近くのセイフ・ハウスで夜の海を眺めてたたずんだり、本来なら十分逃亡できたのだが、飛行場の近くのホテルに裏切者ヴァン・サントが隠れていると知るや、それが罠でも許すことが出来なくて始末に行く。
ジンネマン監督「日曜日には鼠を殺せ」の主人公と同じ事をするので、何か目頭が熱くなってきます。ラストのニールとハナの一騎撃ちも迫力たっぷりで、見せてくれます。この作品、約3時間の長尺で2時間半程度に纏めてもらえば更に、濃密な作品に仕上がったと思います。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘