レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「リスボン特急」この映画、J=P・メルヴィル監督の遺作になりますが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「リスボン特急」(1972)です。

 

 

冬の雨の日、サイモン(リチャード・クレンナ)は、サン・ジャン・ド・モンにあるパリ国立銀行(BNP)を仲間と共に襲撃、逃亡するが、仲間の一人が出納係に撃たれてしまう。彼等は、奪った金を隠してパリに戻る。偽名を使って仲間を診療所に預けて、サイモンは自分が所有するクラブに行き、恋人キャシー(カトリーヌ・ドヌーブ)に会う。調度その時、サイモンはクラブに来ていたコールマン刑事(アラン・ドロン)に会うのだった。

そんな中で、サイモンの次の仕事はパリからリスボンに運ばれるヘロインの強奪だった。コールマンも密告者からその情報を得ていたのだが…

この映画は、「海の沈黙」でデビューして、その業績にフィルムノワール物が多いメルヴィル監督の遺作になります。全体に先ず先ずの作品ですが、「いぬ」「ギャング」「サムライ」等の諸作品に比して若干全体に緩く、纏まりが悪いのは残念です。

とは言うものの、冒頭サン・ジャン・ド・モンのBNP襲撃シーン、撃たれた仲間を抱えて鉄道駅での偽造工作、サイモンのクラブでサイモンとコールマンが出会うシーン、冬の夕暮れ時シャンゼリゼの街路灯が一斉に灯火するシーン、ヘロインを強奪するためにヘリから寝台車に乗り込んでジャンプスーツから寝間着へ変装する丁寧な描写は紛れもなくメルヴィルスタイルになので、もう少し丁寧に製作されれば、かなり好い作品になったものと思いますが。

コールマン刑事を演じるアラン・ドロンは平凡で、加えてカトリーヌ・ドヌーブは美しいのですが、ミリュ(暗黒街)に生きる女と言う雰囲気が出ていなくて残念です。

但し、サイモンを演じるリチャード・クレンナ(「砲艦サンパブロ」「暗くなるまで待って」)はメルヴィルスタイルでとても良いと思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

追記 音楽をミシェル・コロンビエが担当しており、これもなかなか良いのですが…

 

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