レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ギャング」(1966)です。
ギュ(リノ・ヴァンチュラ)は刑務所を脱獄すると、パリにいる妹マヌーシュに会いに行く。ナイトクラブを経営している妹は敵も多く、ギュが彼女の家に着くや否や敵対する組織の殺し屋二人を片付ける。ギュとマヌーシュはイタリアに逃亡する為に準備を始めるが、逃亡計画の駄賃にマルセイユでのプラチナ1tの強奪計画に加わることになった。
強奪は成功するのだが、些細なことからギュは国家警察ブロ警部(ポール・ムーリス)に逮捕されマルセイユ警察に引き渡される。強奪計画者ポールも逮捕され、ギュは密告者の汚名を晴らすべくある行動を選択するのだった…
J=P・メルヴィル監督得意のノワールスリラーですが、ご覧になった方は少なくDVDも発売されていません。以前VHSテープが発売されているだけです。今回はクライテリオンDVDを鑑賞しており、その艶のあるモノクロームが美しく、嬉しい限りです。
前述している様にプロットは凝っており判り難いのが難点ですが、でも何というかその味わいが良く、ヴァンチュラも良いのですが、ポール・ムーリスが渋く美しくて、又ギュの友人オルロフを演じるピエール・ジマーが渋く、カッコ良くて感涙ものです。
中盤のプラチナ強奪シーンも迫力たっぷり、登場するメルセデス190Dも美しくて、更に自分に降りかかった密告者の汚名晴らすべく行動するギュを演じるヴァンチュラ、マヌーシュとの別れのシーンもとても感慨深くていいシーンです。
アラン・コルノー監督「マルセイユの決着」も良いのですが、やはりこちらの方が素晴らしいと思います。 八点鐘
追記 少し前、持っていたビデオデッキが壊れたのでどうしようかと、ずっと考えていました。仕方ないのでDVDを購入しましたが正解でした。画質が素晴らしく良かった。