レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「スパイ・ゲーム」(2001)です。
あと一日で引退する伝説のCIA工作員ミュアー(ロバート・レッドフォード)は、元部下のビショップ(ブラッド・ピット)が勝手に中国蘇州刑務所に侵入して逮捕されたと聞く。
CIA本部ではその件で秘密会議が開かれ、彼も出席することになった。彼はビショップとの仕事を回想を始め、ベトナム、ドイツ、レバノンでの彼との友情を思い出す。そして行動を起こすのだった…
エスピオナージスリラー、主演がロバート・レッドフォードとくれば食指が動きますよね。映画を一言で言えば、レッドフォードが決まっています、決まり過ぎるぐらいに。
ストーリーも出来過ぎている嫌いがありますが、スター映画ですから仕方ありません。ポルシェ911を乗り回し、それもこれ見よがしの最新式ではなく70年代物。うーん、美しいです。彼の落ち着いた趣味の好さが感じられます。
ポール・ニューマンの様に年を重ねたレッドフォードも美しい。同性を褒めるのもなんですが、本当に見事に渋く美しく枯れています。セリフも粋だし、その動き一つがカッコいい。タバコを巧く使うテクニックも良いです。更にその偽の命令書を偽造し、自分の信託基金を使うなんて…
例えば、著名なル・カレとかデイトンの小説には、こんな奇特な御仁は一切登場しませんけど。もっと下衆っぽい野郎しか登場しませんが。見出しに"ジョージ・スマイリー"を使用しましたが、彼であればお金が無いので、と言うより英国人だからバター取引でしょうね。この作品はハリウッド映画ですから。
監督は映像派のトニー・スコット、あのリドリー・スコット監督の弟、残念なことに10年程前自殺されたんですけど、少し前にご紹介した「ハンガー」の様に彼の持ち味の出た楽しめる作品になっています。個人的には、もっともっとこの手の好い映画を撮って欲しかったと思います。共演はデビッド・ヘミングス、シャーロット・ランプリング、アミドゥ等これまた渋い方が。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘
