レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「キラー・インサイド・ミー」(2010)です。
この作品は、原作がジム・トンプソン(ゲッタウェイ)、監督がマイケル・ウインターボトムです。彼は「日陰のふたり」あたりから注目され「ウェルカム・トゥ・サラエボ」
「めぐり逢う大地」「イン・ディス・ワールド」(ベルリン映画祭金熊賞)「9Songs」等独特の視点で活動している映画作家で、最近は残念なことにTVを中心に活動しているようです。そういう意味で、彼にとって最後の商業映画と言っていいと思います。しかし、内容はきびしいもので、ノワールスリラーそのものです。
50年代。西テキサスの小さな町、そこはコンウェイ建設に牛耳られている。保安官助手ルー(ケシー・アフレック)は、ある時町はずれに住んでいるジョイス(ジェシカ・アルバ)の処に向かう。教会側から目に余る活動をしているので自粛して欲しいとお願いするために。
ところが、ルーは彼女に挑発されたこともあり彼女を求めてしまう。ジョイスは町の有力者コンウェイの息子エルマーの女であり、親父はジョイスとエルマーの仲を裂くためルーに依頼する。ルーにはエイミー(ケイト・ハドソン)という恋人がいる。ルーとエルマーは幼なじみでかって煮え湯を飲まされたこともあったと語られるが、ルーのとった対応は・・・
公開された時はあまり話題になりませんでしたが、とてもいい映画だと思います。但し、何度も見たいタイプの映画ではありませんが。特に、ジェシカ・アルバは頑張っていると思います。
ルー、彼は捕食者タイプのサイコパスで普通の人間ではありません。外観は人当たりの好い普通人、その彼が何かの拍子にスイッチが入り行動を起こす。本当に恐ろしい人間です。ジム・トンプソンの小説は読んだことありませんが、とてもエッジが利いたストーリーでウィンターボトム監督も巧みに仕上げています。力量のある監督なので、又映画の世界に戻って欲しいと思います。
この映画を見ていて、リチャード・ブルックス監督作品「冷血」今村昌平監督「復讐するは我にあり」という映画を思い出しました。
ブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾