レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「トプカピ」(1964)です。
女泥棒エリザベス(メリナ・メルクーリ)は、イスタンブールにあるトピカピ宮殿にあるマフムード1世のエメラルドが散りばめられた短剣に見せられ、仲間のウォルター(マキシミリアン・シェル)と共謀して計画を練る。メカ技術者セドリック、唖の曲芸師ジュリオ、怪力男ハンスを仲間に入れて奇想天外な強奪計画を練るのだが…
ジュールス・ダッシン監督のコメディケイパーサスペンス映画です。エリック・アンブラー「真昼の翳」が原作になっています。ダッシン監督はセミ・ドキュメンタリースタイルの映画「裸の町」で有名になりましたが、赤狩りに遭い活動拠点を欧州へ移し、以後、そこで映画を製作するようになりました。
この作品は、この手のケイパー映画の手本の様な作品で、特に後半のケイパーシーンは、サイレント映画ようにセリフ、伴奏曲も無く、モンタージュのみでサスペンスを盛り上げています。だから、この手の映画が好きな方は堪らない作品になっています。
ヒチコック先生も顔色ならしめる様な映画になっています。ゲラゲラハラハラと堪りません。うーん、美しいです。
登場人物のキャラクターも良く描かれており、特に詐欺師まがいのC調男を演じるピーター・ユスティノフと別荘の料理人を演じるエイキム・タミロフのオトボケぶりが笑いを誘います。
ご覧になっていない方は是非ご覧ください。ご覧になった方も時々ご鑑賞されると思い掛けない発見をするだろうと思います。今回再見し、トピカピ宮殿のシーンはかなりのシーンは宮殿で撮影していたことが確認できました。特に昼間、宮殿屋根を移動するシーン等結構大変だったと思われます。うーん、美しいです。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
追記 あの「ミッション・インポッシブル」第一作は、この作品を巧く利用したものだと思います。まあ、誰でも知っていることですが。又、次の目標は…というラストシーンも笑えます。