レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「イースト/ウェスト 遥かなる祖国」すべては自由の為に…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「イースト/ウェスト 遥かなる祖国」(2002)です。

 

1946年、独裁者スターリンは1917年ボルシェビィキ革命以降海外に亡命した人々に対して第二次世界大戦後荒廃した祖国再建を手伝う同志を招待し市民権与えると申し出ます。フランス亡命者で医師ゴロヴィンは妻マリー(サンドリーヌ・ボネール)を伴って、祖国オデッサに到着するが、それは真っ赤な嘘で祖国再建の為に奴隷のように働かせる人間が欲しいだけだった。マリーは担当者からぶん殴られ、持参した仏パスポートは引き裂かれてしまった。彼女の思いは如何にしてここから脱出するかだった…

ビックリするような映画でした。先の世界大戦後、スターリンは亡命ロシア人に対してこんなことを行っていたとは知りませんでした。ホント恥知らずの男です、スターリンは。

映画は、淡々と妻マリーが表面的には祖国再建に奉仕し、ロシア社会に馴染もうとするが、折を見てフランスに戻るべくあの手この手を使うサスペンス映画になっています。

夫は仕方なく祖国と同化しつつあり、もう信用できないと知るやマリーはソ連訪問中のフランス女優ガブリエル(カトリーヌ・ドヌーブ)と連絡を取ったり、マリーと同じように現体制に不満を持つ水泳選手サーシャと共にオデッサから脱出を試みるのですが。

サスペンスたっぷりの政治映画です。あのヒチコック監督作「引き裂かれたカーテン」とかガブラス監督作「告白」を足して2で割った様な映画になっています。

サーシャは、夜オデッサ港から約20Km泳ぎ、沖合のブイに辿り着きトルコ船に助けてもらい亡命に成功するのですが、マリーは出来ず収容所へ。

が、ガブリエルと夫の働きによってブルガリアから亡命を試みますが…

サスペンスたっぷりの作品ですが、如何せん地味すぎる演出がマイナスですが現実はこんな物だろうと思います。私は楽しめましたが。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。              八点鍾

 

追記

戦前、女優岡田嘉子と杉本良吉がソ連に亡命した事件がありました。スターリンは彼らが日本政府が送り込んだ間諜だと信じ込んでおり、杉本は銃殺、岡田も刑務所に幽閉されていたという事件がありましたが、よく似ていますね。ロシアを信用するなんて"おめでたい"としか思えません。

 

最後に、この映画を知ったのはデ・パルマ作品「ファム・ファタール」を見ていた時で、最初見た時はつまらないと感じましたが、今回ブログアップする為に再見したら、まずまずの作品で印象が全く違った映画でした。時々こういうことはありますネ(笑)

 

 

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