レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「砂丘」ザブリスキーポイントで起こった出来事ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「砂丘」(1970)です。

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60年代後半LA、マーク(マーク・フレチェット)は、学生運動に参加するが警官が撃た
れ、自分に疑いがかかったので、飛行場に逃げセスナ機を奪い、砂漠地帯に逃亡する。パートタイムの秘書をしているダリア(ダリア・ハルプトン)は、ポンコツの1952年製ビュイック・スペシャルを乗り、ザブリスキー・ポイントを目指す。

途中、マークと知り合い、ザブリスキー・ポイントでマリファナを吸い、多数の男女が抱き合う幻影を見る。マークは、セスナ機をヒッピー風に塗りたくり、LAに戻るが、警官に射殺される。

ダリアは、上司アレン(ロッド・テイラー)の別荘に立ち寄り、マークの死をラジオで聞き、別荘が爆破される幻想を見るのだった・・・

 

不条理映画が得意のミケランジェロ・アントニオーニ監督作品です。アントニオーニ監督はイタリア人ですが、器用な方で、アメリカン・ニューシネマの「俺たちに明日はない」「イージーライダー」を鑑賞して、こんなのなら俺にも出来るなと感じたかもしれません。とてもうまく纏めています。アントニオーニ監督のハリウッドデビュー作です。


ザブリスキーポイントは、いまではパワースポットなんでしょうか?

 

前作「欲望」は、あるカメラマンが何気なく撮った写真の中に何やら死体の様な物があり、それを巡るサスペンスがじわりじわりと盛り上がる異色のサスペンス映画でした。

このブログでも紹介した「さすらいの二人」も、変死した武器商人に成りすましたジャーナリストをめぐるサスペンスで中々面白かったのですが・・・

 

今回たまたまリマスター版DVDを購入したので、鑑賞しました。冒頭の約10分位の学生達の集会シーンで、ゴダール監督のまねも上手いな、やはり器用な方だと。

テーマとしては面白いかもしれませんが、映画としては散文的で、ラストのピンクフロイドの音楽を伴奏に爆発シーンが映像的に面白いだけで・・・

 

スクリーンの裏から僕って器用でしょとアントニオーニ監督のほくそ笑んだ顔が見えるようで・・・

 

私は、マーク・フレシェットがこの作品の後、2本のイタリア映画(一本がロージ監督「総進撃」)に出て、その後銀行強盗をして15年の懲役刑を食らい、刑務所の体育館においてバーベル事故で死亡したという事実の方がよほど不条理映画向きだと思いますが。                                                                     八点鍾

 

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ここがザブリスキーポイント

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