レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「HOW TO BLOW UP」過激環境保護グループによるテロ活動を詳細に描いたサスペンス映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「HOW TO BLOW UP」(2022)です。

カルフォルニア州ロングビーチに住んでいたゾチトル(アリエラ・ベアラー)は、近くの石油精製所からの汚染により母を亡くし、自分も末期癌にも拘わらず仲間を集めて、手製爆弾を製造し、そのパイプラインを爆破計画を遂行するのだった…

米国メジャー系の作品ではなく、インディー系のサスペンススリラーなので見るべきかどうか迷いましたが、鑑賞して大正解でした。

お話は大したことありませんが、この映画の見所は、手製爆弾製造シーンのリアリティでしょう。そのまま真似られると困るので若干端折っている感じですが、丁寧に映像化しています。ドローンの落とし方とかアジ化鉛を耐熱雷管の代りに起爆薬として利用している処等、こんなこと私は全く知りませんでしたが、ヤバイのではと思うぐらいです。いや、この手の映画は勉強になります。

こういう映画ですから、この手の映画に興味がない方はまったく持って詰らない映画だと思います。映画はこの環境テログループのメンバーの背景を丹念に描写して、実行時シーンとカットバックするという手法で淡々と描いていきます。

環境テログループの主張については、特に寄り添ったりせずにニュートラルと言う処も良く、又グループにFBIの息の掛かったメンバーが紛れ込んでおり、サスペンスを盛り上げるのもとても良いと思います。

全ての映画好きの方にお薦めできる映画ではありませんが、本当に意外な拾い物というような映画です。監督はダニエラ・ゴールドハーバー、どんな経歴の持ち主か私は全く知りませんが、しっかりと言うより、低予算ですが丹念に纏め上げています。

こういう作品を見ると、メジャー系のビッグバジェット映画を撮ってもらいたいといつも考えます。いや、楽しかった。                八点鐘

 

 

howtoblowup.com