レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「リリス」(1964)です。

除隊したヴィンセント(ウォーレン・ベイティ)は、求職の為メリーランド州ロックビルにあるポプラロッジという精神病棟を訪ねる。そこでリリス(ジーン・セバーグ)という名の若い女性の患者と出会うことになる。頭の回転も良く美しいリリスは彼を魅了する。が、ヴィンセント以外に患者スティーブン(ピーター・フォンダ)も彼女に好意を持っていた。問題は彼女がニンフォマニア的で、それ以上に人の心理を巧みに操ろうすることに長けていたことだった…
あの「ハスラー」の監督ロバート・ロッセンの意欲作というより問題作だと思います。この作品、日本では未公開ですがDVDが発売されているので鑑賞して見ました。
この手の映画は、先の大戦後時々登場しています。例えば、アナトール・リトヴォク監督「蛇の穴」、A・ヒチコック監督「白い恐怖」等が代表作だと思います。が、あくまでも作り物で、この作品の様にカメラを精神病棟に持ち込んで、かなりリアルに精神を病んでいる人を丁寧に描写しているのは初めての様に思います。ある意味「ハスラー」より凄い作品だと思います。
この映画で特徴的なのは、その映像だと思います。映画はモノクローム作品ですが、雨、霧、水特に水面を丁寧に描写しているのに驚きます。いや、どの様に撮影したんでしょうか、驚きの連続です。
調べてみると撮影監督をオイゲン・シュフタンが務めており、彼はあのフリッツ・ラング監督の名作「ニーベルンゲン」「メトロポリス」とかアベル・ガンス監督「ナポレオン」の撮影監督を務めていた方なので驚きました。いや、これは物凄いことです。
加えて、ジーン・セバーグが美しくて自然体の良い演技をしており、全体に暗い作品ですが、とても見所の多い映画になっています。いや、この作品、驚きの連続です。うーん、美しいです。
ラストが暗いので、加えて精神病棟の映画なので日本未公開だったと思われますが、この作品、映画好きには一見の価値のある作品です。更に早すぎたニューシネマの様にも感じられます。こういうラストも否定しませんが、もう少し明るいタッチで纏められていたら、当時結構話題になった作品だと思われます。
ロッセン監督、セバーグが好き、オイゲン・シュフタンが好き(こういう人は少ないと思いますが)、「シベールの日曜日」の様な映画が好きという方はこの作品をご覧になることをお薦めします。楽しい時間を過ごされると思われます。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘






