レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「鑑定士と顔のない依頼人」ジェフリー・ラッシュ、練り込まれたプロット、そして美術が・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「鑑定士と顔のない依頼人」(2013)です。

 

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ジョゼッペ・トルナトーレ監督の本当に良く出来たサスペンスミステリー映画です。私は彼の作品は「マレーナ」(2000)しか鑑賞していませんが、なかなか力量のある監督だと思いますし、今回の作品は特に素晴らしいと思います。又、主演をジェフリー・ラッシュにしたことが大正解だと思います。

 

とても優れた美術鑑定士ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は、とても優雅な生活を送っている。BMW640iグランクーペを乗り廻し、高級レストランに入れば、自分のイニシヤルをいれた食器で晩餐を出される。

 

豪華な自宅には隠し部屋があり、自分の好きな女性肖像画を何百と所有しており、ゆったりとした椅子に座り、ブランデーを嗜み、ゆっくりと鑑賞する至福の時間を持つ男だ。うーん、美しいです。一方、ヴァージルはしたたかな男でビリー(D・サザーランド)と競売時につるんで女性肖像画を手に入れていた。

 

ある時、ヴァージルの下に一本の電話がかかって来た。クレア(シルヴィア・フークス)と言う女性で、親からの相続したアンティークを売りに出したいので競売にかけて欲しいと。

早速、彼女のヴィラに出掛けると、なかなかの逸品があり、おまけにクレアと言う女性は広場恐怖症で部屋から出ることが出来ないと、壁を隔てて話をすることになった。が、何やらヴァージルは彼女に興味を持ち始めて、依頼を引き受けることにしたのだが・・・

 

プロットには、色々な仕掛けがしてありこれが最後まで聞いています。ファム・ファタール物として良く出来ています。女性肖像画を鑑賞する主人公、この場面が良いんです。よーくわかります。

こういう人は女性に興味を持つのは良いですが、恋心なんか抱いちゃ駄目ですよ。だから、可哀そうなラストが・・・

 

可哀そうなヴァージル、プラハの「ナイト&デイ」というカフェでじっと待っているのではなく、クレアのヴィラの正面のカフェに行き、優れた記憶力で数字に強い小人症の客の処に行き、知っている限りの情報をお金を与えて聞きださないと。ボケている時間はありません。

 

多分、色々と教えてくれるでしょう。

そして、タフな交渉人を雇えば、すぐに又、ヴァージルは至福の時間に浸れるものと思います。ニ、三人の犠牲は仕方ないかもしれません。

 

最後に、もう一つ特に美術品、絵画、インテリア等で特筆すべき仕事がなされた映画だと思います。美術監督はマウリツィオ・サバティーニ。そして、音楽はエンニオ・モリコーネ。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

 

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