レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「戦火の馬」軍馬ジョーイの大冒険、勿論スピルバーグ監督だから「影武者」へのオマージュもありますが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「戦火の馬」(2011)です。

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映画は、英国デヴォン州の小作農の息子アルバートは、父テッドが購入したサラブレッド、ジョーイを調教し、小作料を払う為荒れ地を開墾する。カブを植えていざ収穫時に大雨が降り、株の収穫が駄目になってしまう。又、第一次大戦が始まり、父はジョーイを英陸軍騎兵ニコルズ大尉に売る。

英騎兵連隊は、インド兵斥候よりの情報で、近くに野営しているドイツ軍部隊に騎兵突撃をかけるが、反対にマキシム機械銃で制圧されてしまう。ジョーイはドイツ軍に捕獲され使役に使われる。負傷兵を運搬したり、マウザー砲を引いたり、それはジョーイにとって悲劇の始まりだった…

スピルバーグ監督作品で、第一次世界大戦物です。又、結構時代考証にもうるさいと見えて、この作品では21cm マウザー16砲、英陸軍マークⅣ戦車(レプリカと思いますが)迄登場させています。うーん、美しいです。

加えて、この映画の最大の見所は英陸軍騎兵連隊の騎兵突撃でしょう。まるで黒澤明「影武者」長篠の戦いの様に、1908/1912 騎兵サーベルを構えて見事な突撃を見せてくれます。このシーンを見るだけでもこの映画の価値は十分あります。本当に美しいと思います。

父テッドがボーア戦争に従軍していたり、そうボーア戦争が隠し味になっているんです。私はボーア戦争についてあまり知りませんが、英軍は焦土作戦、強制収容所のような物を作り、かなりどぎつくボーア人(オランダ系入植者)を痛めつけたようです。この戦争は20世紀に生起したゲリラ戦の始まりのような側面を持っていたそうです。ロシア、ドイツと対峙していた大英帝国は、このボーア戦争で手一杯で大日本帝国と同盟を組み、極東の利権を日本に託しました。この時、大日本帝国は大英帝国の世界戦略に組み込まれたのでした。

政治の話はここまでにして、この作品、所々にジョン・フォード監督「太陽は光り輝く」「わが谷は緑なりき」のような味わいもあって、この映画とても好きなんです。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。    八点鍾

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