レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ドライブ・マイ・カー」 贖罪の旅、サーブは北に向かう という映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ドライブ・マイ・カー」(2021)です。監督は新鋭濱口竜介です。

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話題の映画です。評判が良いので何れアップしようと思い、BDが発売されたので鑑賞してアップしました。

映画は、妻を亡くした舞台演出家と彼の自家用車を運転する女性ドライバーが互いに過去を語り自己を再生する物語です。冒頭、エロチックなストーリーを妻が語る時、なんだこんな映画かと思いましたが、物語が進むにつれて、渡利みさきと言う女性ドライバーが登場してから物語がグーンと弾けていい感じになって来るのに驚きました。三浦透子さんとても良い、ホンも良く出来ています。カンヌで脚本賞を受賞したのも理解できます。ラストもとても良いと思います。

最近の映画にしては、喫煙シーンが多いのも驚きますが、主人公家福の過去、渡利の過去を知り、サンルーフを開けて互いに喫煙するシーンはいいですね。あの「さらば友よ」と同じぐらいいいシーンです。

さらに、家福の車がサーブ900ターボというのもとても良い。私は車には記号性と言うものがあるといつも考えています。例えばメルセデスこれはペルソナ・ノン・クラーダ(好ましくない人が乗る車)、BMWはファン・トゥ・ドライブ、シトロエンはアヴァンギャルド、アウディ、サーブはインテレクチャル、知的とね。

例えば、彼の車がカムリとかアコードだったら、やはりちょっとニュアンスが違ってきますよね。だから、サーブを選んだのはとても巧いと思います。うーん、美しいです。日本映画では、車を美しく撮る映画が少ないと思いますが、この映画はその点でも群を抜いていますね。ホント美しく撮っています。美しい瀬戸内の景色からサーブは北へ向かい、贖罪の旅に。北海道のシーンは本当に美しいと思います。

ハリウッド映画でもサーブは時々登場します。単なるアクセントとして例えば「恋愛小説家」ジャック・ニコルソンが乗る車が、ジュリア・ロバーツ「アイ・ラブ・トラブル」どちらもサーブ900 カブリオレですが。この映画の様にサーブに記号性を持たせた登場はさせていません。

濱口監督、次作は例えば、神奈川県警二村永爾シリーズとか原寮 沢崎シリーズとか「蘇る金狼」のリブートなんかサスペンス物を撮って欲しいと思います。

最後に、渡利みさきさん、韓国なんか行っては駄目です。サーブのメンテが出来ないのでスクラップになるだけです。日本に帰って来て、一番サーブが生息している東海地区で生活してください。日本サーブオーナークラブのサイトを張り付けておきます。私はサーブオーナではありませんが。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記 サーブはスウェーデンの車メーカーで、前輪駆動で独特のスタイル、フロントグリル、ラウンドしたフロントウィンドウ、サイドシェルの低いボディ構造で米国では90年代ぺひーブーマー世代に好まれましたが、紆余曲折がありすでに倒産してメーカーはありません。だから現在所有している方は大事にしてください。

 

www.saabclub.jp

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dmc.bitters.co.jp

いい映画です。鑑賞して、購入して損はありません。