レタントンローヤル館

主に映画のお話

「鬼火」映像化が難しい作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「鬼火」(1963)です。

この映画、問題作と言っていいでしょう。自殺を考えているプチブルのアラン(モーリス・ロネ)の最後の48時間を丹念に追った作品ですから。こういう重いテーマを扱った作品は、この映画以外になかったように思います。志の高い作品ですが、面白いかどうかは別のことで、映画化を試みたマル監督の勇気を称えたいと思います。

映画は、精神障害で入院していたアランは、NYから来た愛人リディアとホテルで愛し合っているところから始まります。上手く行きませんがリディアはあなたが好きだから気にしないと言い、その後二人で煙草を燻らすシーンはいいですね。

アランは、精神状態が快方に向かっているので外泊の許可が出て、リディアとの面会が許された。リディアは妻ドロシーと別れてNYに来てと言うが、彼は何も言わない。彼女と別れて、ラ・バルビネ精神診療所に戻るアラン。彼は戻ると、カバンからルガーP08拳銃を取り出して、自殺の真似事の様な事をする。自室に所長が入って来るので拳銃を隠し、愛想よくしてパリに向かい友人に会ってくると言い出掛けるのだった…

アルコール依存症で妻とトラブルを起こした男が、何とか快方に向かうが久々に友人達に会ってもそのよそよそしさに耐えられなくなり、自分がいる場所がないと感じて最悪の選択をする作品ですが、その昔学生時に劇場で鑑賞した時は、結構感動したのですが今回は、甘えているのじゃないのかなと結構冷ややかな感情を持ってアランを見ていた自分に驚きました。

人間って社会的な動物で、その群れの中で生きていくしかありません。その群れの中で色々と問題が生じることがままあります。冷たいようですが、そこを何とかしていかないと生きていけないことは、社会に出れば分かることですが。だからね…

こういう作品は、その時生き抜くための一助になるかと思いますのでご興味のある方は鑑賞して下さい。但し面白い作品ではありません、念のため。

特筆すべきは、エリック・サティの「ジムノペディ」と「グノシェンヌ」が物凄く上手く使用されていること。相変わらずマル監督の音楽センスは抜群だと感じ入る次第。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

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