レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「More モア」(1969)です。
映画は、リューベック出身のドイツ人学生ステファンが、プライベートな旅行でアメリカ人女性エステル(ミムジー・ファーマー)に出会い、彼女と一緒にスペイン、イビサ島で一緒に暮らし始めるが、やがて薬物に手を出して、お決まりのヘロインに辿り着き、エステルは彼のもとを去り、ステファンは命を失くしてしまうというストーリー。
「スペンサーの山」で清純派女優として登場したミムジー・ファーマーがハリウッドでなかなか芽がでなくて、暫くしてこのような尖がった映画に登場したので日本でも、当時一部の人達から騒がれた映画でした。
監督はバーベット・シュローダー、あの「カイエ・デュ・シネマ」でヌーベル・ヴァーグ運動に携わった人で、この作品が第一作になります。
このブログでは「陰獣」を紹介しています。前述したようにそういう方なので、映画は全体に素人臭い作りですが、結構リアルな描写で真摯に纏められています。薬物映画ですが、これ見よがしに作られた作品ではなく薬物に手を出すことはとてもリスクがある、と言うスタンスで製作されています。
今回、鑑賞して以前DVD等で鑑賞した時、全く違う印象を得ました。以前公開された映画では見た事が無い様なシーンが多く登場して、以前のバージョンと比較して監督の意図が良く出ていると思います。そういう意味で今回、劇場公開とBD/DVD発売は良かったのではないかと思います。画質は素晴らしい。
ミムジー・ファーマーですが、この作品以後、欧州での映画出演が多くなり、私は見ていませんが「渚の果てにこの愛を」「四匹の蠅」「危険旅行」「炎の生贄」等の映画に主演しています。
個人的には、ダリオ・アルジェント監督のホーラー映画「四匹の蠅」を見てみたいと思いますが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾