レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「プリズナーズ」(2013)です。
映画は、米国ペンシルバニア州で工務店を営んでいるケラー(ヒュー・ジャックマン)の娘とその隣家の娘二人が何者かに誘拐されるところから始まります。現場近くで目撃されたRV車が怪しいということでその車の所有者アレックスを警察は拘束します。
知的障害のアレックスは怪しいのですが、決定的な証拠が無いので釈放されてしまいます。すると怒り狂ったケラーはアレックスを空き家に拘束し、娘の居場所を吐かせようと拷問を始める。ロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は、過去の性犯罪、誘拐事件の洗い出しを始めるのだが…
最近の誘拐映画って物凄いですね。こういうプロットにしないと観客が入らないのでしょうか? 社会がおかしいのか、ケラーのこの激しい感情行動は目を覆うばかりです。
推理物の定石とすれば、カメラはロキ刑事に執拗に密着して事件を解決していくのですがね。こういう映画は初めてです。
下手をするとドラマが空中分解するのですが、監督があの情け容赦ない非情な「ボーダーライン」(2015)のドゥニ・ヴィルヌーブだからとてもよく纏まっています。本当に素晴らしいと思います。
だから、サスペンススリラー作品というより人間ドラマに重点が置かれているようで、うまく纏めているので、こういう味わいも悪くはないと思います。ラストのホイッスルの擦れた響きが良いですね。こういう処にこの監督の技量が出ていると思います。美しいです。
監督の次作「砂の惑星 第二部」が楽しみです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘