レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「恋する惑星」ウォン・カーウァイの演出スタイル、音楽、ストーリーが素晴らしくたまらない映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「恋する惑星」(1994)です。

映画は、パイ缶好きな刑事223号と麻薬ディーラーの金髪サングラスの女、警官663号(トニー・レオン)とCAの恋人、警官663号と売店"ミッドナイト・エキスプレス"の新入り娘フェイとの3つの恋のエピソードを描く。

このブログでもよく紹介しているウォン・カーウァイ監督初期の傑作と言っていいでしょう。普通に撮ればそんなに面白くないお話を独特の映像センス、音楽、カメラアングルで見せる映画で、このごちゃ混ぜに近い香港の風景を何やらとても懐かしく、時にスタイリッシュ、又哀愁漂う雰囲気を醸し出して…

一番笑えるのが刑事223号を演じる金城武、恋人にフラれ続ける役で本当に馬鹿々々しい設定で、でも彼がやるとあまり悲しそうに見えなくて楽しんでいるようで、泣きたくないのでフラれたらグランドを全力疾走し身体の中の水分をすべて汗にして、泣けないようにするという馬鹿々々しい設定、くだらないですが何となくユーモアたっぷりで楽しめます。

警官663号と新入り娘フェイの関係も馬鹿々々しくて、CAの恋人に逃げられた663号、フェイは心配?になって彼の重慶大厦に忍び込み、掃除をしたり金魚の世話をしてストーカーまがいの行動を行うのですが、犯罪らしくなく何となく微笑ましく、何か変な映画ですが、そこが良いんですね。まあ、のれない人もいると思いますが。

「グランドマスター」以来新作が無いウォン・カーウァイ監督、大丈夫でしょうか?

今の中国体制では、彼の作品なかなかゴーサインが出ないかもしれません。ましてや、「1950 水門橋決戦」のような作品は彼には無理でしょうね。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。     八点鐘

 

 

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