レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「不夜城」(1998)です。
劉(金城武)は、新宿歌舞伎町中国人裏社会で故買商という感じで色々な事をやって生活していた。そんな時、昔の仲間富春が名古屋から戻って来るという噂を聞く。歌舞伎町を仕切る親分、元成貴の部下を殺して名古屋に逃亡した男が、何故歌舞伎町に戻って来るのか色々考えを巡らせている時、夏美(山本未來)という女から連絡が入る。女が言うには買って欲しいものがあると…
作家馳星周「不夜城」を映画化した作品で、一番の特徴は歌舞伎町のリアルなセットだと思います。主演の二人金城武、山本未來もなかなか良くていいのですが、特に込み入ったストーリーと中国人の名前が頭に入らないので、物語が中盤になってようやく理解できることが欠点らしい欠点でしょうか。まあ、この小説を読んでいる観客は問題ないと思いますが。
それを除けば、全体に良く出来たハードボイルドタッチのノワールスリラーだと思います。どちらかと言えば、ダシール・ハメット味でしょうか。
後半は、裏切り又裏切りのガンアクションのつるべ撃ちで、なかなか見せてくれます。退屈させません。若干、ご都合主義の様な感じもしますが、ホロリとさせてくれる処もあります。中国残留孤児出身が多い新宿チャイニーズマフィア?の怖い生態を良く描いていると思います。この手の無国籍ノワールアクションは大好きです。
ラスト、劉と夏美の別れ、そしておとしまえを予感させる処等うまく纏めていると思います。この世は自分が考えていた様な結末にはならない、いいエンディングだと。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘
同じような味付けの映画ですが…