レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「蘇る金狼」(1979)です。
朝倉(松田優作)は東亜油脂経理部に勤める冴えないサラリーマン、がそれは表の顔で裏の顔はボクシングジムに通って身体を鍛え、チャンスが来たらここぞばかりに強く出る野望を持った男だつた。ある朝、彼は共立銀行の現金輸送を襲い1億円を強奪するが、その紙幣番号が全て控えられており、仕方なくヘロインに交換する。そんな時、桜井と言う男が東亜油脂を強請ろうとしていることに気付く、そして望んだチャンスだった…
原作は同名の大藪春彦氏の小説、ハードボイルドスタイルのピカレスクロマン(悪漢小説)です。松田優作がノリノリで演じているのでユーモアタップリのサスペンス映画になっています。
ホントこの映画笑えます。映画冒頭の昼食はカップラーメンを合掌して食し、帰宅後ボクシングジムで身体を鍛え、独特の人を食ったような言葉で相手を威嚇する様な口調、所有する車はマセラティ・メクラSSからBMW B6 2.8、更にランボルギーニ・カウンタックと。
松田優作は女性をヘロインでヤク中にして自分の望むようにし、痛快快足に人生を駆け抜ける男を独特のユーモアたっぷりに、とても上手く演じていたと思います。特に、金と女とカウンタックを手に入れ、そのカウンタックで東京の街を疾走するシーンはなかなかのものだと思います。良く気分が出ています。うーん、美しいです。
こんな風にユーモアたっぷりに金と女を手に入れることが出来たら、人生楽しいでしょうね。でも、人生そんなに甘くありません。ということでラストは悲劇に終わるんですが、私個人は、金と女を手に入れて上手く海外逃亡に成功して、又海外で人暴れして欲しかったと思います。
又、情婦を演じる風吹ジュン、千葉真一、成田三樹夫、小池朝雄、岸田森、岩城滉一、トビー門口らの脇役のキャスティングが良くてとても楽しめます。うーん、美しい野郎どもです。
上映時間は131分と若干長めでもう少し短くしてくれると、もっと映画として引き締まると思います。邦画もこの手の映画を量産してもらえると、個人的には大変嬉しいのですが。
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