レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「戦争のはらわた」サム・ペキンパー監督渾身の力作

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「戦争のはらわた」、監督はあの暴力派サム・ペキンパーです。

1977年制作で、あの第二次世界大戦を扱った映画です。特に珍しいのは独ソ戦を扱っており、モスフィルム以外では描かない戦いを描いている大変珍しい作品になっています。作品については有名な作品なので、私が改めて説明する必要はないと思いますが、少しだけお話します。

この映画が公開される時、ペキンパーとジェームズ・コバーンはこの映画の㏚のために来日しています。ペキンパー監督を敬愛していたCM監督石上三登志氏は彼のもとを訪れ、この作品「戦争のはらわた」について色々と語り合っています。これはキネマ旬報の記事になっていますから、興味のある方はキネマ旬報社に確認するか、地域の拠点図書館に尋ねられるといいかと思います。ペキンパー監督は、黒澤監督に会いたいと言っていました。

もう一つ、彼は「11PM」という大橋巨泉氏が司会をしていた深夜番組にも出演して「戦争のはらわた」の㏚をしており、その時、酒に酔った川谷拓三が乱入して・・という話があります。私はこの回を見ておりませんが、作家小林信彦氏がその辺りを同じくキネマ旬報に書かれていました。

ペキンパーの個性が良く出た映画で、ジェームス・コバーンがとてもいい、彼のベストパフォーマンスと言ってもいい映画です。ただ、この作品ちょっとバランスが、マキシミリアン・シェルがごねたのかな、その辺りが弱点ですが、ラストも泣けます。大体、コバーンは「ダンディー少佐」からペキンパー作品に出ているので親和性がとてもいいと思います。

この後、ペキンパーは「キラー・エリート」、マコ石松でなく高倉健が出演していたら傑作になっていたでしょう。「コンボイ」、この映画はペキンパーらしくないので好きではありませんが、次の「バイオレンス・サタデー」はペキンパーらしくて好きです。

もっともっと映画を撮って欲しかったといまでも「ワイルド・バンチ」「わらの犬」「ゲッタウェイ」「ガルシアの首」「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」を鑑賞しながら思います。時々、デマケーショーン・・・と誰かが叫んでいるような声が聞こえる時があります。このブログを作成するにあたりBD版を鑑賞しています。  八点鍾

 

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怒りの十文字撃ち

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