レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ジョーカー」この映画は「タクシードライバー」+「狼よさらば(デス・ウィッシュ)」かな?

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。本日ご紹介する映画は「ジョーカー」です。

前回、「夜の大捜査線」紹介の時、ニューシネマについて少し説明したと思います。この映画を見ていて、私は60年代後半からベッタリと血で濡れ始めたハリウッド映画を思い出しました。味付けが良く似ているので。例えば「絞殺魔」「冷血」「俺たちに明日はない」「タクシードライバー」「狼よさらば」等で、特に最後の二作品はこの映画に色々と影響を与えていると思います。

だから、私はダークな気分になりたい人にはこの映画は良いかもしれませんが、コミックの映画化作品と軽いノリで鑑賞に行くと面食らいます。トレーラからそんな雰囲気は伺えましたが、本篇はもっと強烈です。映画は、犯罪生物学を参考に脚本を作り上げたのでしょう。犯罪社会映画の雰囲気もあり、ホアキン・フェニックスの演技は怖いぐらいです。そういう意味では、本格的なノワール・スリラーと言ってもいいでしょう。

私個人としては「クゥイルズ」「Her」に出て来る彼の方が何倍も素晴らしいと思います。ブールス・ウェインも出てきます。そして、ご両親の殺害されるシーンもあります。

この映画の続編は、バットマンの誕生とジョーカーとの対決でしょう。この映画の雰囲気が好きな人は物凄く期待してもいいでしょう。そうじゃない人は、別の映画が良いかもしれません。監督はトッド・フイリプス、あのコメディ映画「ハングオーバー」の監督です。こんな一面があるとは知りませんでした。

最後に、この映画、ヴェネチィア映画祭金獅子賞を受賞したと聞きました。コミック映画としては初めてでしょう。映画のノワール的な雰囲気が評価されたのだと思います。

                                   八点鍾

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IMDb

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これから彼はポール・カージーに変身