レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ストレート・タイム」ダスティン・ホフマンが犯罪者を演じたレアな作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ストレート・タイム」(1978)です。

マックス(ダスティン・ホフマン)は、強盗罪で6年の刑を勤め上げ釈放された。保護監督官フランクは嫌な奴だが、仕事を見つけ職に就くことを約束した。職業紹介所の担当はジェニー(テレサ・ラッセル)という可愛い女性で、彼は製罐会社で働くことになった。

そんな時、昔の仲間が訪ねて来て彼の小さなアパートでヘロインを吸い始めた。ある時、監督官フランクが彼の部屋を訪れ、ヘロインを熱したマッチを見つけ、彼は刑務所に逆戻り、そんな時彼が面会に来た。尿検査は陰性だから釈放すると。

ロサンゼルスに戻る車の中で、彼は言う。

「君は陰性だが、その時誰がいた?名前を言ってくれないか?」

マックスは、仕方なくフランクを殴りつけ車を奪い、フリーウェイのフェンスに下半身裸にしたフランクを手錠で縛り付け、再び犯罪世界に戻るのだった…

セミドキュメンタリータッチのノワール映画です。ホフマンは余り似合わないドジョウ髭を蓄えて、力演しています。昔、ある経済学者が言っていたのを聞いたことがあるのですが、どんなに財政出動しても失業率は2.5%以下にはならない。理由は正業に就いて働かない人がある一定数いるからだと。

この映画はそういう人達を丁寧に描写しています。手始めにコンビニ強盗、銀行強盗、そしてビバリーヒルズの高級宝石店とどんどんと膨れ上がるのは良いのですが、やはりツキに見放されて、最後はジェニーと共に逃亡する羽目に。

ラスト、マックスとジェニーは静かに見つめ合い、彼女と別れて自分一人で逃亡する決心をする。この辺りが描き方が好いんですね。彼に待ち受けているのは、残酷な未来しかないことを暗示させながら。

若いテレサ・ラッセルが上手く、とても好いですね。犯罪映画としては派手さが無いので、例えばマイケル・マン「ヒート」の様な映画ではなく、観客を選ぶ作品になっていますがなかなか良く出来ていると思います。監督は「恋におちて」「告白」のウール・グロスバード。

このブログ作成に輸入DVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 この映画には若いキャシー・ベイツが登場します。驚きました。

www.youtube.com

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