レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「9人の翻訳家」フランス製推理映画ですが・・・

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」です。

 

有名なベストセラー「デダリュス」第三巻を出版するにあたり、世界同時発売する為、販売部数を見込める市場の9名の翻訳家を集めて、田舎の邸宅に缶詰めになって翻訳作業にあたるのだが、作品の冒頭部分が流出し、流出されたくなければ500万ユーロ払えと脅迫メールが届き、出版社のオーナー(ランベール・ウイルソン)は9人の翻訳家に疑惑の目を向けるのだが・・・・

 

このようなタイプの推理映画は定石があり、その定石をクリアするかしないかで作品の出来が左右されると思います。

先ずキャスティング、良く映画を見ている人でも3名程度、ランベール・ウイルソン、オルガ・キュリエンコ、アレックス・ロウザーしか知名度がないかと思います。やはり、もう少しあでやかなキャスティングが必要かと思います。お金を使うだけではなく、映画ファンを喜ばすキャスティングってありますよね。

定石どおりどんでん返しがあり、お話は面白いです。すこしネタバレになりますが、オーナー自ら拳銃で翻訳家を威嚇、負傷させるのはどうでしょうか?勘の好い観客なら大体筋が読めてしまいますよね。

演出もとても大切な要素で、このタイプの映画は狭い場所をカメラが行ったり来たりするので観客を飽きさせないようにする工夫が必要です。ルメット監督の「オリエント急行殺人事件」(1974)は息苦しくて私は好きではありません。

 

私はどちらかと言えばブライアン・ジョンソン監督「ナイブズ・アウト」の方が良くまとまっていると思います。

でも、あくまでも私個人の意見ですので、フランス映画で本格的推理物は多分オゾン監督の「8人の女たち」(2002)以来です。興味を持たれた方は鑑賞して頂きたいと思います。監督は「タイピスト」のレジス・ロワンサル。          八点鍾

 

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