レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「カンバセーション盗聴」(1974)です。
映画は、盗聴を仕事にしているコールと言う癖のある男(ジーン・ハックマン)を描いています。
コールは孤独を好み、ジャズを愛し、サックソフォンを吹き、信心深く、常識人で、猜疑心が強く、仕事に対する情熱も人一倍。
依頼者から仕事を貰い、ユニオンスクウェアで男女2人の盗聴を請け負います。近くの2つのビルからとても指向性高いマイクを使用して、もう一つは買い物袋を提げて、目標の2人の近くを行ったり来たりして仕事は完了する。このシーンはとても興味深く出来ています。
盗聴テープが出来上がったので、依頼者に届けると、不在と言われ秘書が受け取るというが、コールは拒否して持ち帰り、盗聴した内容を確認し始める。聞きづらい処をフィルターにかけてクリアーにすると殺すとか、殺されるとか言っていることが判明する。
翌日、通信技術見本市がありコールはそこを訪れる。久々に同業者、友人と会い心を許すコール。メレディスと言う女性に会い、一夜を共にすると、あのテープが無くなっているのだった・・・
フランシス・コッポラ監督作品です。「ゴッドファーザー」が大ヒットしたので、コッポラ監督がその時一番映画にしたかった題材でしょう。こじんまりとしてますが、大変良く出来た作品です。
盗聴と言うテーマも今日的で、ウォーターゲート事件などで荒れていた米国社会に対するエッジの利いた題材だと思います。当時、米国には盗聴屋なる商売が存在しているこに驚愕しました。又、仕事部屋で盗聴テープの仕上げ描写等マニアックで大変興味深い。ただ、ちょっとミケランジェロ・アントニオーニ監督「欲望」と少し似ているのはご愛嬌と言って良いでしょう。
最後に、デイビッド・シャイアーの映画音楽、ピアノのあのテーマがコールの心情を大変うまく表していると思います。
ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾