レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「悪の法則ロングバージョン」スコット監督のキャリアで最も過激なノワールスリラー・・・


レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「悪の法則」(2013)です。

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IMDb

 

映画は、カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)と呼ばれる弁護士が、軽い気持ちで麻薬ビジネスに手を染める。が、偶々対応したバイカーのスピード違反を釈放したことから、このバイカーはあるカルテルの運び屋を行っており、おまけにこのバイカーが殺されて、このバイカーが運んでいた麻薬運搬トラックのスタータキットを盗まれたことで麻薬運搬トラックが盗まれ、あらぬ疑いを掛けられてカウンセラーは窮地に落ちてしまう・・・

 

最近の作品ですが、あまり評判が良くありません。私も劇場で鑑賞しましたが、グロい描写が目に付き、プロットも良く判りませんでした。

少し前に、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督「ボーダーライン」を鑑賞し、ロングバージョン(20分程追加)のBDが発売されたのでそれを鑑賞して、この作品の狙いが理解できました。

 

まず、シウダー・ファレスという都市について何がしか情報がないとこの作品の狙いが判らないと思います。映画にはチラリとしか登場しませんが、ここは麻薬カルテルによる内戦拠点と言う事実。もはや警察程度の治安機関では対処できない。そういう事実を知らないと作品の輪郭がぼやけてしまうこと。今回は、前述した「ボーダーライン」を鑑賞済みだったので、大変よく理解できた。

 

もう一つ、ロングバージョンはマルキナ(キャメロン・ディアス)の行動がかなり追加されていて、彼女がこのトラブルの元締めだということが判るが、短縮版でも彼女が色々と糸を引いていることが判るが、一つしっくりこなかった。但し、彼女単独で行っていたことか、どこかのカルテルの依頼でやっていたのかは判明しない。

 

グロい描写(ポリートのシーン)が追加されたのは勘弁して欲しいが、スナッフフィルムの件はセリフのみだが、結構気味が悪い。いつも明るく楽しいキャメロン・ディアスが深刻な顔つきで、最後に高笑いする映画ですが、何れカルテル戦争に巻き込まれて同じ運命になるのではないかと思う次第。

 

映画としてはロングバージョンの方が判り易く完成度が向上したと感じます。リドリー・スコット監督作品の中で異色のノワール・スリラーとしていぶし銀のように輝くことと思います。

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全ての始まりがここ

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