「鏡」タルコフスキー監督の私的映像叙事詩のような作品・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「鏡」(1975)です。

 

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IMDb

この作品は、アンドレイ・タルコフスキー監督の映画です。とても自伝的な要素の強い作品で、どちらかと言えば非商業映画だと思います。私はこの映画が好きだから、DVDを購入しました。でも、万人に向く作品とは思いません。

 

ソビエトのように国策で映画を製作しているのであれば、製作にゴーサインが出る時があると思いますが、資本主義国ではこのような作品は、自主作品というスタイルをとることになります。だから、一般の劇場でこの種の作品が上映されることは少ないと思います。

 

よく似た作品はタイプは違いますが例えば、黒澤明監督「夢」とかジョージ・ロイ・ヒル監督「スローターハウス5(屠殺場5号)」テレンス・マリック監督「ツリー・オブ・ライフ」ぐらいかな・・・

三島由紀夫が監督主演した映画「憂国」は、自分の思想を表現した映像作品なので三島由紀夫全集を収めて欲しい、実際収められていますが。

 

例えば、タルコフスキーが自分の映画とは別に詩とか文学作品集等があれば、この作品をその作品集に収めた方が良いかもしれません。私には、そういうジャンルの映像作品のように思います。今後は、そういうタイプの映像作品が出て来るかもしれません。

 

この映画にはストーリーはありません。ぼんやりとしたアウトラインしかありません。

映画は吃音矯正のシーンから始まります。

父親不在で育てられた作者(タルコフスキー)、夕暮れ近くの風景を寂しそうに眺めている母。母に言い寄る見知らぬ男。印刷所で働く母は原稿のミスを思い出し、印刷所で原稿を探し回る。スペイン内戦、大祖国戦争(独ソ戦のこと。ロシアではこう言います)、中ソ国境紛争、それは妻であったり、祖母であったり、幼年時代の朝、燃え上がる納屋で会ったり、色々なイメージがバラバラにインサート、編集されて、観客を刺激します。

 

私は特に、作者が15才頃の想い出、射撃訓練所のシーンが素晴らしい。レニングラード戦の生き残り、頭に銃創を受けた老兵士が教官で作者は模擬手榴弾を使って教官を試すが、その行動に驚く。

作者がその訓練所を後にして、小鳥が彼の頭にたたずむシーンはまるでピーター・ブリューゲルの画のような構図でとても素晴らしい。本当に素晴らしいイメージの映画だと思います。

 

この作品は100分強の映画で、長尺物が多く彼の作品の中では見やすいのも好ましいと思います。

 

このブログ作成にDVD版(RUSSIAN CINEMA COUNCIL製作 日本語字幕付き)を鑑賞しています。                   八点鍾

 

www.youtube.com

 

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