レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ブラック・サンデー」ロバート・ショーが走る、疾走する、走り回るサスペンススリラーですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ブラック・サンデー」(1977)です。

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この作品もアメリカン・フットボール試合中にテロ活動を起こす内容で、昨日ご紹介した「パニック・イン・スタジアム」とよく似た内容の映画です。ですが、この作品は、「羊たちの沈黙」で有名になったトマス・ハリス第一作「ブラック・サンデー」を映画化したもので、監督があの「影なき狙撃者」「五月の七日間」で有名なジョン・フランケンハイマーです。但し、この作品、日本では2006年に初めて劇場公開されました。1977年に公開される予定でしたが、上映中止の脅迫状が届いたので公開が中止されました。

 

映画は、"黒い九月"内の過激グループが米国でテロを計画しており、たまたまモサドがベイルートの拠点を急襲して、その情報を得る。

モサド、カバコフ少佐(ロバート・ショー)は米国に渡り、FBIコーリーとテログループの捜査を始める。ダリア(マルト・ケラー)は、ベトナム帰還兵ランダー(ブルース・ダーン)がスーパーボール会場でライフル・ダーツを使用したテロを起こしたいという計画を支援しており、ベイルートで組織の支援を貰い、打ち合わせをしていた時にカバコフ達の攻撃を受けたが、辛くも脱出に成功し、着々と準備を進める。

 

が、組織は情報が洩れているので計画中止をダリアに伝えるが、ダリアとランダーは計画を実行しようとする。FBIはマイアミに連絡員が潜伏しているのを知って、拘束しようとするが失敗。彼の部屋からスーパーボールの資料が出て来て、テロはスーパーボールで行われると…

 

この作品は、フランケンハイマー最後の力作と言って良いと思います。60年代に傑作、力作を連打していたフランケンハイマーですが「グランプリ」辺りから段々と落ちて来て、70年代は「フレンチ・コネクション2」(1975)ぐらいしかヒット作がありません。

この作品も、前述した「パニック・イン・スタジアム」と同じテーマでバッティングして、興行的に大変だったと聞いています。又、ラストのブリンプ(飛行船)がスタジアムに突入するシーン何か安っぽくて作品の価値を落としているように思います。それまでは本当に良く出来ているのですが。

特にスーパーボールのシーンは、実際の試合にロバート・ショーとフリッツ・ウィーバーを参加させて撮影しているのでとても迫力があります。

 

これについては、「フレンチ・コネクション2」BD版に収められていた映像特典でブルース・ダーン氏がこんな発言をしているのを確認しました。

「映画は、ブリンプが突入するのではなく、高度を下げてスタジアムに迫ってくるところで終わるんだ。そこで、ブラックサンデーとタイトルが出る。余韻があってとても良く出来ていたよ。が、スニークプレヴューで観客の反応が悪く、販売されているようになったんだ」

と言うことです。それを聞いてディレクターズカット版を出して欲しいなと思うのは私だけでしょうか? 

 

以後、フランケンハイマーは「プロフェシー」「ザ・チャレンジ」(日本を舞台にした剣劇映画)「サンタモニカ・ダンディ」「対決」「RONIN」等監督していますが、この中では、パリの街をプジョー406で過激に疾走する「RONIN」が彼らしい作品だと思います。

 

でも、ライフル・ダーツ爆弾を抱えたブリンプをヘリで追い駆け、S&W M76マシンガンでランダーとダリアをカバコフがハチの巣にするアクションシーンは、「フレンチ・コネクション2」のラスト、ドイル刑事がマルセイユの街を疾走してシャルニエを射殺するシーンと並んでアクション映画の双璧だと思います。うーん、美しいです。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

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