レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ハリー・パーマー 国際諜報局」あのレン・デイトン「イプクレス・ファイル」のリブート作品ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ハリー・パーマー 国際諜報局」(2022)です。

 

 

先の大戦後西ドイツ。闇物品の売買を行っていたパーマー伍長(ジョー・コール)は憲兵隊の摘発を受け、軍刑務所へ収監される。MI5、MI6も手を出さない隙間仕事を引き受けている諜報機関WOOC(P)のドルビー少佐にリクルートされ、下級諜報員へ。最初の仕事は、ソ連に拉致された物理学者ドーソン教授の救出だったが、その裏には陰謀が渦巻いていた…

英国スパイ小説の雄レン・デイトンの第一作をTV第6話シリーズ化した作品です。別に1965年にマイケル・ケイン主演で映画化された「国際諜報局」のリブート作品です。

この作品のスチール写真を見た時、ハリー・パーマーを演じるジョー・コールがいま一つ冴えない感じだったので、一抹の不安を感じましたがそれは杞憂でした。

TVシリーズなので、ラストを除いて65年版よりより小説に近付いた描写、例えば、パーマーが所属する諜報組織WOOC(P)、太平洋上の核実験場、アリスが登場する等デイトン作品が大好きな方には物凄い作品になっていますが、全体に冗長過ぎるのは良いとして小説と違うラストがね、このスタイルだとまるでジョン・フランケンハイマー監督の力作「影なき狙撃者」の様で。私個人は65年版のラストの方が好きですが…

そして、もう一つ65年版に比較して映画音楽が地味過ぎて、これから65年版のジョン・バリーのスコアを利用した方が良かったように思います。

色々書きましたが、この手の作品が好きな方なら十分楽しめると思います。60年代の英国の雰囲気、車両、インテリア、服装、レイ・デイトンのアクション・クック・ブックが登場するのも良いアクセントになっています。

この作品が成功したのであれば、次は「海底の麻薬」「優雅な死に場所」「スパイ・ストーリー」勿論「ベルリンの葬送」も映像化して欲しいと思います。

最後に、この作品で大活躍ジーンを演じたルシー・ポイントンがなかなか良かったと思います。うーん、美しいです。但し、原作ではこんなに活躍はしませんが。

このブログ作成にVODにて鑑賞しています。           八点鐘

 

バックは映画館 ゴダール「軽蔑」を上映

 

www.youtube.com

www.youtube.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

追記 ル・カレとデイトンどちらが好きですか? と聞かれたら、デイトンですね。デイトンの主人公は、グラマースクール出身の中産階級だから良く理解できるので…