明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アニアーラ」(2019)です。
レアな作品です。何せスウェーデン製SF映画なのですから。日本にはスウェーデン映画って、あのベルイマン監督作品ぐらいしか入ってきませんでした。時々サスペンス映画が入ってくる程度で、それがこの作品SF映画なので驚きました。
映画は、地球の自然破壊が酷くなり修復不能の為、人類は巨大宇宙船を建造し、火星へ移住する計画を立てます。8000人の移住者を搭乗されたアニアーラ号は、出発後すぐに搭載している原子炉に異常を発見、メルトダウンを防ぐために燃料放出、軌道を外れてしまいます。そして、アニアーラ号は広大な宇宙を果てしなく彷徨い始めるのですが…
のっけから失礼ですが、このペラ・コーガーマン監督、SF映画ではなく普通の人間ドラマを作りたかったようですね。だから、SF好きな観客が鑑賞すると当てが外れたような作品になっています。
思うに、SF映画ってSF的なセンスが必要だと思います。ない人が監督しても本当に面白くないし、見ていて苦痛だけでしょう。この巨大宇宙船を舐めるように撮ったショットも登場しないSF映画なんてないでしょう。
ほら「2001年宇宙の旅」「2010」「エイリアン」「エイリアン2」「オデッセイ」「スタートレック」「インターステラー」等どれも良かったですよね。おまけに、この宇宙船、中にショッピングモールもあり大きなホテルみたいで、SFらしさが乏しくて…
この作品は真摯に纏められていますが、他の人には薦めませんね。一番の理由は、プロットが重くて、登場する人物に魅力がありません。特に船長がね、エミリー・ヨンソンが演じる女性が主人公ですが、特に活躍する訳でもないし、AIとかスピアー型宇宙船、SEXシーンもあり、変なカルト宗教の教祖様も登場しますが、そんなものよりSFの核心、素晴らしい映像が見たかったと思います。冒頭少しありますが…
原作のノーベル文学賞受賞ハリー・マーティンソン作品を読んでいませんが、映画向きの作品では無い様に思われます。宇宙船が宇宙を漂うだけの映画なので…
この小説、どうしても映画化するのであれば、原作者に了解を得て、壊れた宇宙船を救出するレスキュームービーにした方が良い様に思いますが。原作者がダメと言えば、別のアイテムを探したほうが良いように思います。
前述したようにまじめな作品ですが、楽しめるという作品ではありません。もう少し楽しめる作品だと良かったのですが。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鐘
当ブログで紹介したスウェーデン映画