レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「エデンより彼方に」(2002)です。
映画は、1957年米国コネチカット州ハートフォートから始まります。紅葉が美しい街で、映画館には「イヴの3つの顔」「雨の夜の慕情」「激情の女」「戦塵」がかかっている。キャシー(ジュリアン・ムーア)は、一流会社に勤める夫フランク(デニス・グエイド)と何不自由なく暮らしていた。が、或る時会社に出向くとフランクが知らない男性と抱き合っているのを見てしまう。彼は医者に通い始めるが、快方には向かわない。
それ以後、フランクとの仲は悪くなり庭で人知れず泣いていると黒人庭師レイモンドが慰めてくれた。が、或る時レイモンドと一緒にいるのを友人に見られ、キャシーは白人社会からつまはじきにされるのだが…
この作品すごく好いんです。冒頭のコネチカット州ハートフォートの紅葉が美しくて。独特の色彩設計された画面が効果的で、こういう映画を鑑賞したのは、あのキューブリックの「バリー・リンドン」以来かな。加えて、プロットよりムードが良いんですね。当時のインテリア、衣装、車輛、風俗考証、当時の人種問題、上映されている映画とか。キャシーが運転する56年式ビュイック・エステート・ワゴンがまた美しくて。
そして、ジュリアン・ムーアが繊細で物凄く好いんです、そして泣くんです。「ブギーナイツ」でも「ハンニバル」でも泣いていましたが、この作品は日本女性の様に頬をつたる涙が…辛い映画ですが、美しいんです。また、エルマー・バーンスタインの音楽が美しくて。
私は、不勉強にもダクラス・サーク監督は全く知りませんでした。ですが「大空の凱歌」だけは見ていたんですね。朝鮮戦争の話でロック・ハドソンがP-51Dのパイロットで学校を誤爆する内容だったと思います。よくお昼の映画劇場で放映していたもので、第一印象を言えば、マーク・ロブソンの「トコリの橋」の方が良いなと。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾