レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「007/ ノー・タイム・トウ・ダイ」(2021)です。
コロナ禍で公開が遅れていたボンド映画です。映画は、前作の続きから始まります。ヴェスパーの墓参りと訪れたボンドとマドレーヌ(レア・セドゥ)ですが、ここでもスペクターの魔の手が。殺し屋が呟いた一言で、ボンドは彼女に猜疑心を抱き別れてしまう。
5年後、武装集団が英国から"ヘラクレス"と呼ばれる生物兵器を強奪する。ボンドはジャマイカで引退生活を送っているが、CIAのフェリックスが訪ねて来て、パートタイムの仕事を引き受けて欲しいと依頼される。武装集団に拉致された科学者オブルチェフを助け出して欲しいと。又、ボンドの周りにちらつきだしたタフな黒人女性ノーラも気になるボンドだが、やがてこの一件がボンドの運命を変えることになるとは…
映画は、3時間近くの長尺で良く出来ています。アクションシーンのテンコ盛りのテンコ盛りになっています。社会派の新鋭キャリー・ジョージ・フクナガ監督は手堅く纏めていますが、マーティン・キャンベル、サム・メンデス監督達に劣らないほどの力量を見せてくれます、特に前半は。
そして、この作品ですが、あの「女王陛下の007」の裏返し版のように私には思えました。「女王陛下…」も細菌兵器の話ですし、ラストも、007映画のお約束"最後の瞬間の脱出"になっていません。ラストクレジットには「愛はすべてを超えて」が流れますし…
このラスト、嫌いじゃありませんが定石破りだと。個人的には、敵の秘密基地の場所が日露係争の島と言うことですから、日本国籍を抜いて英国籍にした特殊戦部隊が活躍してくれれば、もっともっと面白くなったでしょう。バランスを崩さない程度の忍者スタイルで。だって映画だから、造っている方も鑑賞している方も楽しみたいですよね。
だから、ラスト、マドレーヌが運転するDB5も新型アストン・マーティンDBXで、自宅の車庫に収まっているDB5としてあげた方が協賛会社にも優しいし…
Mk18マシンガンを構えるボンドは素晴らしく決まっています。ホント、ボンドは永遠ですね。 八点鍾
追記 映画には、新007が登場します。007は永久欠番ではないそうです。黒人女性でノーミ(ラシャーナ・リンチ)、身体が良く動くので彼女をヒロインにしてスピンオフ作品が出て来るかも。もう一人、CIA女性部員パロマ(アナ・デ・アルマス)も中々見せてくれますが。
次作の監督は、スピルバーグとかクリストファー・ノーラン、タランティーノ辺りにお願いしたら、更に楽しみになりますね。