レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ラストナイト・イン・ソーホー」(2021)です。
エロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、60年代ファッションが大好きな女性で勉強するためにロンドンへ。が、彼女は特殊な能力を持ち、時々幻視を見る。60年代の歌手サンディ(アニャ・テイラー=ジョイ)と一緒になり、その時代を体感するのだが、やがてある事件が彼女を悩ますことになるのだが…
エドガー・ライト監督最新作です。加えて「女王陛下の007」のダイアナ・リグの遺作になります。英国ではTVシリーズ「おしゃれ㊙探偵(アベンジャーズ)」で有名だったと思います。日本でも当時放映していましたが、英国色が強くあまり人気が無かったと思います。私は時々見ていましたが。
映画は、60年代をノスタルジックに描く音楽映画、例えばマイケル・サーン監督「ジョアンナ」のような音楽映画、と勝手に思い込んで見に行きましたが、あれ、この作品ホラーだったのですね。
映画はかなり凝っており、又その時代を上手く再現しています。サンディが乗り込むオープンスポーツがトライアンフTR4と判った貴方、この映画を十分楽しむ資格があります。あの時代の英国を十分味わい、その後、ポランスキー監督「反撥」を思い出しながらニヤニヤして、最後はイタリア製ホラー映画を楽しんでください。そういう意味で大変良く出来ています。楽しい楽しい映画に仕上がっているので、楽しんでください。
又、別の意味でこの作品、ダイアナ・リグの映画と言っても良いと思います。こんなことを書くと怒られると思いますが、初めて彼女とても巧いと思いました。
そして、この作品あのテレンス・スタンプ、リタ・トゥシンハムも共演しており、大変懐かしかった。
このように遊んで、且つ上手く良い映画に仕立てることが出来るなんて、エドガー・ライト監督、本当に素晴らしいと思います。
次作はもう少し志の高い映画をお願いしたいと思います。 八点鍾
ご興味があればどうぞ