レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ベルファスト」(2021)です。
映画は、ケネス・ブラナー監督の半自伝映画で、北アイルランド問題で揺れるベルファストに住んでいるブラナー一家が、祖父の死を機会にイングランドへ移住するまでを映画いた作品ですが…
ベルファストと聞いたので、そうか名匠ブラナー監督もジム・シェリダン監督(「父の祈りを」「ボクサー」)のようにとうとう社会派映画を監督するのかと思いました。が映画を見たらあっと驚くような自伝映画で、じゃとてもご苦労なさったのかなと思いきや、これじゃ不肖八点鍾と変わらないじゃないですか。映画館で「リバティバランスを撃った男」「ハイヌーン」「恐竜百万年」「チキチキ・バンバン」を見て、父に"サンダーバード"のユニフォームを買って貰いご満悦なら、極東の日本、名古屋の鼻たれ小僧の日常と。まあ、幸せな日々で。
そりゃ、北アイルランド問題があったので近くに武装官憲の存在は、うっとうしかったと思いますが、映画を見る限りとても酷いようには思えませんが。父親が出張されていたので寂しかったとは思います。ベルファストの失業率は高く、最終的にイングランドに移住されたのは大変だったと思いますが。
でも、ブラナー監督は上手いですね。本流は「から騒ぎ」「ハムレット」のようなシェイクスピア物だと思いますが、マーベルコミック映画、お伽話、エスピオナージ物、サスペンス物、おまけに演技も上手いので色々な映画にも準主役級で登場し、この作品を見る迄とても北アイルランド出身とは思えませんでした。
こういうコメディタッチのノスタルジー映画もそつなく監督するところは流石です。本当に上手いと思いました。これからも良い映画を監督、主演して映画界を盛り上げて欲しいと思います。良い映画なので是非鑑賞して下さい。 八点鍾
追記 この作品はモノクローム映画ですが、映画のシーン「恐竜百万年」「チキチキ・バンバン」舞台劇「クリスマス・キャロル」だけカラーになっているパートカラー作品です。だから、あのラクウェル・ウェルチ嬢が登場します。だから、そのシーンは、僕ちゃん、たまりませんと言う顔していますが。ウェルチ様万歳です。私は、ちょっと、「フェリーニのアマルコルド」を思い出しましたが。