レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「狙撃者 (Get Carter) 」マイケル・ケインの非情なノワールスリラー

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「狙撃者(Get Carter)」(1971)です。

レアな作品です。日本では一部の劇場で公開されただけでDVDすら出ていないと思います。TVでは数回放映されていると思いますので鑑賞された方も多いかと思いますが。今回BD版を手に入れたのでご紹介したいと思います。

映画は、組織暴力の切れ者カーター(マイケル・ケイン)は、ボスの情婦アンナとねんごろになり時を見て二人で南米に逃げようとしていた。そんな時、ニューカッスルにいる兄が飲酒運転で死亡したと連絡が入る。嫌な予感がしたがカーターはニユーカッスルに着き葬式を終え、彼はその真相を探ろうするのだが皆口が堅い。やがて街のボスの愛人グレンダから真相を聞くと…

お話はそんなにセンセーショナルなものでなく、この作品の見所は、ケインの演技とマイク・ホッジス監督の演出スタイルでしょう。特にケインの演技、ドスの効いた演技で本当に怖いぐらい、情け容赦なく拳銃を撃ち、襲ってきた奴をケインが全裸にもかかわらずショットガンで反対に脅すシーンなんて、いつもはナイスガイを演じているマイケル・ケインが、クールでサデイスティクなこのような役をやること自体驚くことだと思います。脇の方々も殆ど英国映画で見たこともない方ですが、とても存在感のある演技で驚きます。ロケハンも良く本当に驚きます。銃撃戦も含む復讐もとても非情で、迫力があります。

もう一つ、ロイ・バッド作曲のテーマ曲の素晴らしいこと、多分皆さん一度は聞いたことがあると思いますが、この作品の音楽とは知らなかったと思います。

ホッジス監督はこの作品で認められ、ハリウッドでマイケル・クライトン原作「ターミナルマン」を監督しますが上手くいかず、以後鳴かず飛ばずと言う感じで2022年に残念なことに亡くなっています。

英国犯罪映画、マイケル・ケインの別の顔を確認したい方は、是非ご覧ください。失望されることは無いと思います。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

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