レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「9Songs ナイン・ソングス」(2004)です。
地球物理学者マットと米国交換留学生リサ(マルゴ・スティリー)は、あるコンサートで知り合い意気投合する。そして激しく愛し合うようになる。マットは南極へ観測活動時に、彼女の印象はその香りであり、肌合いだったと思い出すのだった。彼は色々と彼女のことをコンサートの記憶とともに思い出すのだった…
監督はマイケル・ウィンターボトム、「日蔭の二人」のような文芸作品もあれば、「ウェルカム・ツゥ・サラエボ」「グアンタナモ、僕たちが見た真実」「「マイティ・ハート/愛と絆」のような問題作、又「キラー・インサイド・ミー」の様なノワールスリラーも手掛ける俊英監督です。
その彼が手掛けた少しばかりハードなラブロマンス映画、こういう作品も作りたかったのでしょう。この作品には「ラストタンゴ・イン・パリ」とか「エマニエル夫人」と引き合いに出されることだと思います。
個人的に私は、この作品に軍配を上げたいと思います。理由は「ラストタンゴ…」はその描写が痛々しいし、マーロン・ブランド演じるポールという中年男が何とも嫌で、「エマニエル夫人」は何とも薄っぺらな映像で、唯一の美点と言えばマリオ演じるアラン・キューニーが登場するシーンだけだと思うからです。
対して、確かに描写はハードですが、激しいラブシーン後の二人の柔らかな表情を見ていると監督が言う、新しいタイプの恋愛映画だと言うのも何となく納得したりします。
コンサートシーン、南極シーンも良いアクセントになっていますし、巷に言われるほど只の本番映画ではないと思います。
最近のウィンターボトム監督は、どちらかと言えばTV中心で、昔ほど問題作も無ければ、斬り込みも若干ダルな感じで少し残念ですが。
このブログ作成にDVD版(輸入盤)を鑑賞しています。 八点鐘