レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「シャドー・メーカーズ」グローヴス将軍から見たマンハッタン計画を描いた映画…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「シャードー・メーカーズ」(1989)です。

 

 

映画は、42年9月最前線に出て戦功を上げたかったグローヴス大佐(ポール・ニユーマン)は、ルーズベルト大統領直属の極秘計画「マンハッタン計画」を担当することになり、シカゴでシラードに会いその内容を理解する。オッペンハイマーを計画の長にしてロス・アラモスに研究棟を建て始め、計画はスタートするのだった…

この作品は、来月末公開されるノーラン監督「オッペンハイマー」と同じテーマを扱った映画で日本未公開ですが、その昔VHS、少し前DVDが発売されておりVHS版は見ていますが、シネマスコープ版を左右カットした版で何だかぼけたような映画だった記憶しかありませんでした。監督があの「キリング・フィールド」のローランド・ジョフィなので、そんなことは無いだろうと再度DVD(シネマスコープ版)を鑑賞して見ました。

結果、大正解でした。前半は1時間は退屈です。ただコミンテルの女スパイがオッペンハイマーから情報を取ろうとしている処は少し面白いですが、後半特にナチスドイツ降伏後からはなかなか見所のある映画になっていました。どうやって核分裂させるか、ガンバレルタイプか爆縮タイプか、ウランの量産、ウラン・スラグ、起爆装置組み立て中での被爆事故、トリニティ核実験のスリルある描写、特にトルーマン大統領がスターリンとポツダムで会談するので実験を強行させる辺りは、初めて知りました。

オッペンハイマーがナチスドイツ降伏後、日本は絶対に核爆弾を作ることが出来ないのでグローヴス准将にもうこの計画を廃棄しようとしてグローヴスとやりあう辺りはなかなか凄い。こんなポール・ニユーマンの演技、鬼気迫る演技と言うのでしょうか? なかなか見ものです。

全体にとても良く出来た映画ですが、地味にくすんでいるのは否めません。ノーラン監督「オッペンハイマー」はビックバジェットの映画ですから、もっと派手に出来ているのでしょうが、こちらも良く出来ているので興味を持たれた方はぜひ鑑賞して欲しいと思います。

特にシカゴ大学の物理学者達が、原爆を日本に落とすようなことは止めろとか、トリニティ実験に日本人を立ち会わせろとか色々と意見があったようですが、でも日本には過酷な運命が。この辺りは日本人としてかなり辛いですが。先の大戦中、日本でも原爆計画は、理化学研究所で進行していたようですが…

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 音楽はあの巨匠エンニオ・モリコーネ、「アルジェの戦い」のようなスコアもありますが、ラブシーンにかかるスコアはとても良いと思います。又「オッペンハイマー」ではクローヴス准将はマット・デイモンが演じています。

 

 

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