レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「マルケータ・ラザロヴァー」1967年のチェコ製歴史大作映画ですが、とっつき難いので…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マルケータ・ラザロヴァー」(1967)です。

 

 

13世紀のボヘミア王国。領主コズリークの息子ミラコーシュは、ムラダー・ボレスラフへ向かう伯爵一行を襲う。伯爵の息子クリスティアンを捕虜にして逃走する。この事件に怒った国王はクリスティアンの開放とミラコーシュ討伐する為にピヴォ隊長を長とする討伐部隊を送り出す。ミラコーシュは仲間の領主ラザルの下に行き一緒に討伐部隊と戦おうと訴えるが拒否され、ミラコーシュはラザルの娘マルケータを拉致し、逃亡するのだった…

史上最高のチェコ映画と言われるこの作品、正直始まってから40分程何が何だか分かりませんでした。ミラコーシュを初め、登場人物は殆ど髭ずらで同じ顔に見え、日本人には馴染み難い名前、物語が頭に入らずこの映画は駄目だというのが正直な感想でした。

あくまでも私の印象ですが、この作品、どらかと言えばタルコフスキー「アンドレイ・リブリョフ」に近い趣で、前述した様に時々素晴らしいショットがあり、それが効いた映画になっています。約170分の長編大作ですが、慣れてくると結構癖になる映画ではないか感じ入るようになりました。

全体に、土臭い映画です。ミラコーシュは領主の息子ですが、映画では盗賊そのもので、俗な言い方で申し訳ありませんが、マカロニウェスタンのボロンテそのもので驚きました。あのエイゼンシュテインの名作「アレキサンドル・ネフスキー」を様な映画と勝手に想像していた私が愚かでした。

が、その時代色が出た城内、修道院等の映像は結構素晴らしくて、我慢して何やかんや見ていると次第に頭が馴染んできて、このドロドロの愛憎劇が結構いけるなと感じ入った次第です。

13世紀、日本で言えば鎌倉時代、日本もそんなに豊かでは無かったと思いますが、この時代のボヘミア王国の辺境地は物凄くみすぼらしく、これはこれで一見の価値が有るかも知れません。こういう映画です。

全ての人にお薦めは出来ませんが、中世東欧の歴史映画が好きな方は外せない作品だと思います。                     

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。              八点鐘

 

 

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