レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ニンフォマニアック Ⅰ/Ⅱ」目を覆うばかりの尖がり過ぎた問題作ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ニンフォマニアック Ⅰ/Ⅱ」(2013)です。

セックス依存症のジョー(シャーロット・ゲンズブール)は、薄汚れたビルの裏に倒れていた。そこを通りかがった老年のセリグマン(ステラン・スカルスガルド)は彼女を拾い、自分のアパートに連れて行った。彼女をベッドに寝かしつけ、介抱すると彼女は徐々に元気を取り戻し、彼女の奔放な過去を語り始めるのだった…

映画をよく見る人には、苦手な映画監督というか生理的にダメと言う監督があると思います。私の場合、ミシャエル・ハネケとかロバート・アルトマン辺りがそうですが、このラース・フォン・トリアー監督もこの作品辺りからそんな感じになりました。

その昔、「ヨーロッパ」「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の頃はそんなこと無かったのに、この映画は尖がり過ぎて見ているのが苦痛です。まあ、わざとそういうに撮っているのだと思いますが、もう痛々しいを通り越しています。

映画は、しっかりとセックス依存症の女性、それに絡み合う生活環境、友人、犯罪等を丁寧にカリカリに乾いた描写しているので、何か残念な気がします。いい意味で観客を挑発しているのでしょう。でも、これだと観客が逃げて行ってしまうように思います。まあ、これが俺の映画だとトリアー監督は胸を張っているのだと思います。

この手の描写が堪らない人には、物凄いご馳走なのかもしれません。私は駄目ですが。一例が"abortion(堕胎)"のシーン、思わず目を覆いました。観客を選ぶ映画になっています。興味を持たれた方は是非ご覧ください。話のタネには良いかもしれません。

即物的に、カメラを被写体に向けて捉えているので、官能性等すっからかんである意味凄いと思います。そういう意味で美しいと思います。

シャルロット・ゲンズブールは体当たりで演じています。凄いと思いますが、私はエロ爺を演じたステラン・スカルスガルド、初めてスクリーンで見たのは「存在の耐えられない軽さ」でした、受けの演技でなかなか巧いと思いました。でも、ガードが甘いなと思いましたが…

このブログ作成にBD版(輸入ディレクターズカット版)を見ています。   八点鐘

 

追記 この映画ではフィボナッチ数が登場します。このシーンには笑えましたが。

 

www.youtube.com

 

wedplain15.hatenablog.com