レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「17歳」オゾン監督のよくある青春映画だと思い敬遠していた作品でしたが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「17歳」(2013)です。

 

     

 

イザベル(マリーネ・ヴァクト)は、17歳の夏、家族と出掛けたリゾートで、ドイツ人青年フェリックスと知り合い処女喪失を。更にSNSで知り合った男性とホテルで密会、売春を重ねるようになる。そんな中63歳の裕福な男性ジョルジュと知り合い、深い仲になる。高級ホテルで愛し合っている時、ジョルジュは心臓発作を起こし意識不明になる。イザベルはホテルを逃げるようにして出るのだが…

フランソワ・オゾン監督の良くある青春ドラマ、題名から良くある青春ドラマの域を出ない作品だろうと思い、敬遠していましたが鑑賞して見ました。理由は、良家の子女が身を持ち崩す話で詰まらないだろうと思ったからですが、鑑賞して、色々と勉強になることが理解出来て、中々良い映画だなと感心した次第。

面白くなるのは、ジョルジュが死亡して警察沙汰になり、逮捕はされないが保護観察処分になり、家族間の描写が良いですね。母シルヴィは医療技術者で夫とは再婚、イザベルは連れ子という関係、夫は自分の娘でないのでニュートラルな感じで、そういう設定が非常に巧い。この手の日本映画だと、夫が娘を張り倒す様な描写が出てくるのですが、今はそんなことは無く、警察官も「売春婦は多くの場合、殺されます」とか冷たい描写が効いている。夫が一歩引いているので母シルヴィのみがハラハラと気を揉むが、本人は至って冷静。カウンセリングも効果がある様で効果がなく…いや、難しいですね。

でも、ラスト、登場するんです。あの大女優シャーロット・ランプリングが。いや、本当に存在感のある素晴らしい女優です。彼女が登場しなかったら、只の詰らない青春残酷映画でしたが、このラストで救われました。本当に素晴らしいと思います。多分、イザベルは更生するでしょう。いや、救われました。本当にシャーロット・ランプリングのお陰ですね。うーん、美しいです。

 

このブログ作成にVODにて映画を鑑賞しています。         八点鐘

 

 うーん、美しいです

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      この作品が最新作です。楽しい映画でしたが…