レタントンローヤル館

主に映画のお話

「プリティ・ベイビー」約百年前のニューオリンズの娼館を舞台に・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「プリティ・ベイビー」(1978)です。

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1917年のニューオリンズのある娼館で、ハティが男子を出産するシーンから始まります。ハティにはヴァイオレットという娘がいます。

ある時、ベロッキという写真家がやって来て、娼婦を撮影したいとマダムネルに申し出ます。ネルは快諾し、ハティの美しい写真を撮ります。ベロッキとハティとヴァイオレットをめぐるドラマを映画は淡々と映し出していきます・・・

 

ルイ・マル監督作品です。ルイ・マル監督と言えば、「死刑台のエレベーター」「鬼火」「恋人たち」「パリの大泥棒」「ビバ!マリア」「好奇心」「ルシアンの青春」等々名作ぞろいです。

 

彼の場合、映画音楽に一過言があり、使い方がとても巧いと思います。マイルス・デイビス、エリック・サテ、チャーリー・パーカー、ジャンゴ・ラインハルト等使用して、独特な魅力加味した作品を製作しています。

うーん、素晴らしい。

 

この作品は、ハリウッド進出第一作になります。とても面白い題材を映画にしています。この映画が公開された時劇場で鑑賞していますが、まだ右も左もわからない映画ファンだったので、この映画の良さが分かりませんでした。理由は、この作品、カメラが娼館から殆ど外に出ない映画なので、とても息苦しい映画だったという記憶しかありませんでした。

 

数年後、この作品を再度鑑賞した時、ようやくこの映画の狙いが判りました。

この作品は、ニューオリンズの歓楽街にあるマダムネル(フランシス・フェイ)が所有する娼館の造り、造形を見せる映画なのだと。このマダムを演じたフランシス・ウェイが存在感ある演技で・・・

加えて、"プロフェッサー"と呼ばれるピアノ弾き(アントン・ファーガス)、ハティ(スーザン・サランドン)、その娘ヴァイオレット(ブルック・シールズ)、写真家ベロッキ(キース・キャラダイン)達はただの共演者と考えるととても分かり易くなる。

 

だから、ニヴェン・ニクヴィストのカメラは、舐めるようにしてその黒光りする階段の手摺、擦れた高価な絨毯、壁紙、円形ソファ、ピアノ、ステンドグラス、天鵞絨の飾り、スクリーンから香しい匂いが漂ってくる程美しく味わい深い娼館を映し出している。

又、娼館の裏手にある裏庭も、写真家ベロッキの館もなかなか味わい深くて。こう考えると、とても素晴らしい時代考証に基づいた時代風俗映画に思えてきます。

うーん、素晴らしい。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鍾

追記 

この作品、ヴィオレットを演じたブルック・シールズが当時騒がれましたが、思ったほど伸びませんでした。

 

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左がルイ・マル監督