レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「あの愛をふたたび」(1969)です。
アンリ(ジャン=ポール・ベルモンド)は作曲家、映画音楽で生計を立てていた。今は米国でラブロマンス映画の音楽を担当しており、主演女優フランソワーズ(アニー・ジラルド)と懇意になり、二人はラスベガスへ旅立つのだった…
不倫旅行というか"大人の恋"を描いた、あの「男と女」「流れ者」のクロード・ルルーシュ監督作品です。60年代後半、ルルーシュ監督はヒットメーカーでした。
私はラブロマンス作品はちょっと言うスタンスだったので、彼の作品を見るようになったのはもっともっと後でした。
この作品は、どちらかと言えばストーリーが散漫ですが、アニー・ジラルドが素晴らしくて。特にラストのあの有名な自嘲に満ちた表情を見るだけでも価値はあると思います。又、ベッドの中でベルモンドと見つめあうジラルドの描写、西部劇音楽についてのアンリの辛辣なコメントとか、フランソワーズの夫を演じるマルセル・ボズフィの扱いも笑えます。あれじゃ、別の男の処へ行きたくなりますよね。
アメリカで撮影しているのでモニュメントバレーも登場し、インディアンも、ルルーシュ監督はフランス人なので、ニューオリンズも登場します。ニューシネマ全盛期なのでロードムービーのような味わいもあり、ベルモンドが乗り回すマーキュリー・マーキスが美しい。
見ていると、やはり西部劇を監督したいのかな。そんな感じが濃厚に画面から漂ってきます。実際、数年後には「続・男と女」をジェームズ・カーン主演でアメリカ西部を舞台に監督していますしね。でも、個人的には、ノワールスリラー味の「流れ者」「男と女の詩」「夢追い」の方が好きですが...
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘