レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ロード・オブ・ウォー」(2005)です。
ウクライナからユダヤ人と偽って米国に入国した家族の長男ユーリー・オルロフ(ニコラス・ケージ)は、家族の仕事であるレストランでマフィアの銃撃事件に遭遇し、銃器販売を弟と始める。
レバノンベイルートで米軍が置き去りにした銃を売却して利益を得て、ビジネスは順調に動き出す。南米では金の代りにコカインを得て弟は中毒になるが、商売は増々拡大する一方、トップモデルのエヴァとも結婚も出来た。そんな時、ソ連崩壊のニュースが飛び込んでくる。ユーリーは直ぐにウクライナに飛び、叔父のヴァルコフ少将配下の基地にある倉庫からタダ同然で重火器、戦車、武装ヘリを手に入れてそれらを紛争地へ送る手配をするのだが…
監督は「ガタカ」で名を上げたアンドリュー・ニコルで、力作です。隠れた佳作と言って良い作品だと思います。ホンも良くかけているし興味深い映画になっていますが、題材のよるものと思いますが、いま一つ魅力に欠けている感じがします。
例えば、同様のテーマを扱っている「ナイトマネジャー」とか「ブラッドダイヤモンド」の方が一般の観客からは好まれると思います。この辺りが、実話物の難しいところだと思います。でも、主演ニコラス・ケージはなかなか魅力的で、インターポール捜査官を演じるイーサン・ホークは反対に少し迫力不足かな。
ラスト、イーサン・ホーク演じるインターポール・バレンタイン捜査官の目の前で"俺達は必要悪さ"と嘘吹くユーリーはなかなか決まっています。うーん、美しいです。
この作品はフィクションですが、ある人物がモデルになっていると言われています。少し前、ロシアで収監されていた米国バスケット選手と囚人交換されたビクトル・ボウト、その人だと言われています。彼はおとり捜査で2012年に逮捕されて最低25年の禁固刑の判決を受け収監されていました。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鐘