「浮雲」仏印ダラットから始まる恋愛映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「浮雲」(1955)です。

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大戦中、仏印ダラットで出会った男、富岡兼吾(森雅之)と幸田ゆき子(高峰秀子)は関係を持ってしまう。戦後、東京で再び会い、ダラットでは妻と別れて結婚してくれるはずが、ダラダラと暮らしており、ゆき子は失望するが別れられなく、米兵の情婦になったりして関係を続ける。二人で伊香保温泉に行って心中しようとするが、ダラダラと関係を続けてしまう。

やがて、妊娠を知り中絶するが・・・

 

女性映画の名匠、成瀬巳喜男監督作品です。とても良く出来ていますが、女性心理の分からない野暮な私にはちょっと合わない映画です。又、この森雅之演じる富岡と言う男がね、こういうタイプの方時々いますが、優柔不断で何をやっても上手くいかないが、女性には何故か持てるという男、こういうタイプの男が出て来る映画はちょっとね。

 

彼は、私から見れば加山雄三と共演した「狙撃」(1968)で凄腕の殺し屋役を演じましたが、こういう役の方が好感が持てます。

但し、高峰秀子は美しいしとても素晴らしいと思います。いや、こんな素晴らしい演技はついぞお目にかかれるものではないと思います。只々堕ちていく哀れな女性をとても上手く演じていたと思います。

でも、私は例え映画でもこういう女性を見るのは好きではありません。見ていてマウロ・ボロニーニ監督「愛すれど哀しく」とかフェデリコ・フェリーニ監督「道」ロマン・ポランスキー監督「テス」思い出しました。何れも悲しい映画でした。

 

時代的に敗戦後の東京の時代色がとても良く出ていて、まったくかぶることはありませんが、映画の中で時々既視感のある風景を見て、何とも言えない懐かしい思いが込みあげてきました。でも戻りたいとかというものではなく、ただ懐かしいという感情だけですが。

 

同じ時代の映画であれば、小津安二郎監督「東京物語」「秋刀魚の味」の方が好きですが。私は見たことありませんが、小津監督自身が失敗作と言っている「東京暮色」がこんな味わいなのでしょう。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記 

ダラットはベトナムの避暑地です。高原地でフランス人がベトナム人にワインの作り方を教えたので、ベトナムで唯一ワインを作っています。飲んだワインが安かったせいかあまり美味しくありませんでした。ベトナムでは簡単に手に入りますので、興味のある方は、ベトナム旅行時にご試飲ください。

その昔、ダラットには教育用原子炉がありました。ベトナム戦争末期に米兵、軍属が秘密作戦としてダラットに侵入、ウラン接収原子炉破壊作戦を行ったとかしないとか。色々曰くのあるところです。

 

昔務めていた会社に豊田四郎監督のご子息がいました。とても良い方でした。但し、私は監督の「地獄変」しか鑑賞したことがなかったので、あまり話すことが出来ませんでした。「夫婦善哉」「雪国」「墨東奇譚」等を見ておればなと、今でも時々思い出します。そんなことを思い出して鑑賞していました。

 

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狙撃

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ダラット1

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ダラット3

もう一つ、ダラットには在越外国人の別荘が多く、その古い別荘には色々な噂があり、よくお化けが出るのよとベトナム人女性が話していました。本当かどうか私は知りません。ゆき子さんも出ているかも。