レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「グリーンランド 地球最後の2日間」(2020)です。
地球に彗星、隕石が衝突する映画はよくあります。古い処では「地球最後の日」日本映画の「妖星ゴラス」、「メテオ」「ディープインパクト」「アルマゲドン」「メランコリア」等があり、それら作品に比較して、この作品は一市民に焦点を絞った映画で、意外や意外に淡々と遭遇する問題を描写しています。
ノアの箱舟の様にロケットを作り、新しい天体に選ばれた人類を載せて出発するとか、南極に惑星軌道を動かすために推進装置を建設したり、向かってくる彗星を破壊するために特殊チームを作り、彗星破壊作戦を実施する様な荒唐無稽な映画ではありませんが、その地味さが足を引っ張っているようにも思います。観客は私も含めてそういう馬鹿々々しさを欲していると思いますが。
米国政府は、人類壊滅は免れないと知って、一部の家族の携帯にQRコードを送り、そのコードを貰った家族のみ、グリーンランドにあると知られているシェルターに避難させます。人ごみの中、ジョン一家(ジェラルド・バトラー)は、ようやく軍飛行場に辿り着きますが、息子が糖尿病の為搭乗を拒絶され、足止めを食っている間に一部の暴徒が発砲しながら飛行場に雪崩れ込み、輸送機は爆破炎上。阿鼻叫喚の凄まじいシーン。この辺りはなかなか見せてくれます。この辺りを膨らませてくれるともっと良かったかも。でも、何かゾンビ映画を見ているみたいで…
米国は怖いですね、世間に銃器が氾濫しているのでこんな有様で、日本だった、俺はもういいよ。お前は国の為にとか何とかで収まるのだと思いますが。
バラバラになった家族は、妻の父にところへ向かい再会し、再びグリーンランドに向かうのだが…
もう一つのこの作品の見所は、このお父さんを演じたスコット・グレンなんですね。もう80歳らしいのですが、良いんです。彼が出て来ると画面が引き締まるのです。うーん、美しいと言うか素晴らしいです。
思えば「地獄の黙示録」から「アーバン・カウボーイ」「最後のサムライ ザ。チャレンジ」「ザ・キープ」「ライトスタッフ」「シルバラード」「レッドオクトーバーを追え」「羊たちの沈黙」「バーティカル・リミット」等々、ホントに素晴らしい役者です。
長生きして、色々な映画に助演して欲しいと思います。映画に出てビター味をスクリーンにぶちまけて欲しいと思います。
で、彼が大好きと言うのであれば、この作品を外しては駄目です。監督はリック・ローマン・ウォー、映画は先ず先ずの出来ですが。 八点鍾
追記 この作品を鑑賞していて、その昔見た「人類SOS」原作は(トリフィドの日)を思い出しました。スコット・グレンが主人公を演じ、地球の未来の為火炎放射器を背負って、みんな燃やしやると叫ぶ映画が見てみたい。
数年前のフォトらしいのですが、戦う男そのものです